出版社内容情報
シリーズ累計55万部突破!
猫が取り持つ縁、離縁した夫への複雑な想い……江戸の恋は、ままならない
「茂弥・勢登菊」西條奈加
売れっ子の娘浄瑠璃と、彼女の箱持ちである冴えない芸人。娘浄瑠璃の一斉召し捕りに際して見せた、彼らの深い情念とは――。
「異聞 井戸の茶碗」金巻ともこ
元武家だが、事情があって江戸に出てきた父娘。淋しい日々の中、娘は唯一の心の慰めに野良猫に餌をあげていたが、その猫をきっかけに縁が繋がり――。
「一陽来復」梓澤 要
ひと月で離縁になった最初の夫が、上役の横領事件のとばっちりで罰せられると知り、元妻の心は揺れ動く。
「魂消の庭」三好昌子
空き屋敷の庭で百物語を行った若者の魂が消えたという。「庭封じ」の力を持ったお紗代は、怪異の原因である屋敷の庭で、「夫婦柳」に出会い――。
「風を待つ」あさのあつこ
不幸な巡り合わせで一家が崩壊し、父の仇討に出ることになった息子。その家の奉公人だった女は、自らを女郎屋に売り、彼をひたすら待ち続ける。
江戸を舞台にすれ違う男女の情を描くアンソロジー。
【目次】
内容説明
売れっ子の娘浄瑠璃と、彼女につき従う冴えない芸人との間にある深い情念(「茂弥・勢登菊」西條奈加)、仇討ちに出た男を、女郎屋で待ち続ける女(「風を待つ」あさのあつこ)、可愛がっている野良猫をきっかけに、縁が繋がった男女(「異聞 井戸の茶碗」金巻ともこ)、ひと月で離縁した夫婦の行く末(「一陽来復」梓澤要)など、さまざまな恋模様を切り取った短編五作を収録。江戸を舞台にすれ違う男女の情を描くアンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
134
西條さん『涅槃の雪』も、あさのさん『もう一枝あれかし』も既読の作品なのに、あぁ戻って来い私の記憶力(泣)新鮮な気持ちでアンソロジー5編を読んだ。こいもようとは上手い言い方よね・・私が感じたのは情と業。色んな恋があった。ままならないのはいつの世も同じか‥2025/11/06
chimako
66
図書館の「文庫フェア」からの一冊。金巻ともこさん、梓澤要さん、三好昌子さんは初読。その御三人の話が良かった。今よりもずっと不自由だった江戸の恋。三好さんの「魂消の庭」はホラーめいて怖いけれど、梨木香歩さんの「家守綺譚」の百日紅を思い出した。梓澤さんの「一陽来復」はかつて夫婦だった二人の心の底に通じるものが温かくてこちらも温かくなるような。金巻さんの「異聞 井戸の茶碗」もまあるくおさまったその感じがなんともほっとする。恋の話はハッピーエンドがいい。2026/03/19
ひさか
37
2025年10月PHP文芸文庫刊。時代小説傑作選シリーズ19作目。西條奈加:茂弥・勢登菊、金巻ともこ:異聞井戸の茶碗、梓澤要:一陽来復、三好昌子:魂消の庭、あさのあつこ:風を待つ、の恋情がテーマの5編。いつもながら細谷さんのチョイスが楽しい。三好昌子さんの魂消の庭がファンタスティックで楽しめた。2025/11/30
ぽろん
36
江戸時代の色々な恋模様。初読み作家さんの金巻ともこさんの落語が元ネタ?!という異聞江戸の茶碗が猫の恩返しみたいで愉しかったです。2025/12/13
いっちゃん
16
はじめまして、金巻さんと梓澤さんの作品がよかったなぁ。金巻さんの福を呼ぶ猫のお話はほっこり。梓澤さんの一陽来復は藤兵衛の男振りにうっとり。2026/02/06




