内容説明
近代ポスターの始まりの地、フランス・パリ。シェレ、ロートレック、ミュシャら芸術家が腕を競い、ベル・エポックの華やかな市民生活を象徴する目にも鮮やかなポスターが街を彩りました。本書では、近代ポスターの草創期からアールヌーヴォー、アールデコを経て戦争期の作品まで227点を一挙収録。時代の息づかいを伝えるポスター芸術の歩みを辿ります。
目次
近代ポスターの始まり
パリのモダン・ライフ
ベル・エポックの夜
眼差しの時代
戦争とポスター
著者等紹介
平芳幸浩[ヒラヨシユキヒロ]
京都工芸繊維大学美術工芸資料館准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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印度 洋一郎
4
昨年、新潟県立近代美術館で開催されたベル・エポック期のフランスの商業ポスターの展覧会の図録として入手。絵画とは異なり、美術とは見られていなかった商業ポスター(要は広告)だが、19世紀末から20世紀前半にかけて、大衆消費社会と印刷技術の発達によって、当時のロートレックやミュシャといった画家達の活躍の場となった。画家にしてみれば、純粋な創作ではない、生活のためのアルバイト的なものだったが、クライアントの要望に応える制約が多種多様な表現を生む。当時流行のアールヌーボー、アールデコの意匠を取り入れており、楽しい。2024/04/17
よし
2
京都工芸繊維大学所蔵のフランス・ポスターを紹介した本。地元の美術館の企画展を訪ね、手に取りました。元々、アメリカやカナダのポスターが好きだったので、その源流がフランスにあることを知り、勉強になりました。ロートレックやミュシャをはじめ多くの画家によるポスターは欧州の近代化や都市化などを反映して楽しかったですし、日本人の里見宗次がフランスでポスターを描いていたことには驚かされました。2021/10/17