出版社内容情報
桜風堂書店のある桜野町に続く道。そこには不思議な奇跡が起こる噂があった。田舎町の書店を舞台とした感動の物語。シリーズ最新作。
内容説明
「会いたかったひとに会える奇跡」があるなら、あなたは誰に会いたいですか?小さな町の書店と、そこに関わる優しいひとびとの姿を描く、本屋大賞ノミネート『桜風堂ものがたり』最新作!
著者等紹介
村山早紀[ムラヤマサキ]
1963年、長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
291
村山 早紀は、新作中心に読んでいる作家です。 「桜風堂ものがたり」シリーズ番外編のファンタジー連作短編集、著者ならではの優しい気持ちにさせる佳作でした。 オススメは、第二話『夏の迷子』です。 https://www.php.co.jp/ofudo/2022/07/03
いつでも母さん
183
あの『桜風堂ものがたり』の番外編。ファンタジーは苦手な私でも、じんわりとその世界に浸ることが出来る。何より一整やアリス、船長にまた会えた。4話とも良かった。イラついて自分の気持ちと上手く折り合いが付けられずにいた私・・優しく穏やかな呼吸が出来た読書時間になった。帯の『あなたは誰に会いたいですか?』今、この言葉が沢山の人の求める言葉なのだろうとも思う。私にもいる。会いたいよ・・ 2022/01/30
ウッディ
158
自然豊かな山間にあり、ノスタルジックな雰囲気が残る桜野町で、本好きな住民に愛される桜風堂書店に続く山道では、会いたいという願いが叶うはずのない人との再会など、不思議な出来事が起こる。「桜風堂ものがたり」の番外編は、ファンタジー要素強めながら、本編の優しい雰囲気はそのままでした。娘と母を捨て、他の女性に走った父、それでも娘には優しかった父に対する複雑な思いと最後の魂の触れ合いを描いた「子狐の手紙」が印象的でした。悪い人が出てこないこのシリーズ、物足りなさはあるものの、一服の清涼剤になったような気がします。2022/04/19
モルク
144
「桜風堂ものがたり」のスピンオフである4話の短編集。桜野町に通じる峠道は会いたい人に会えるという奇跡の起こる不思議な道。本そして書店を愛する人々が足を踏み入れるファンタジーの世界。最後にはサンタクロースのような宇宙人まで登場。どの話も夢と愛にあふれていたが、長いこと絶縁していた父親と再会する「子狐の手紙」にはグッときた。2022/03/10
しんたろー
142
『桜風堂ものがたり』の番外編で、主人公である一聖は脇に回ったスピンオフ的な作品集。本編で殆どないファンタジー要素を色濃く味付けした4つの物語は、桜風堂元店主の孫・殆の小冒険、一聖が勤めていた書店店長・柳田の一夜の話、一聖が勤めていた書店仲間・渚砂の不思議な体験、村に住む謎の老人&一整自身の話。どの話も村山さんらしい優しさに包まれた内容で、怪現象にも温かさがある。特に、本編でもファンだった渚砂の話は、離別した父との思いがけない邂逅が絡んでいて胸に沁みた。いつもながら「本と本屋への愛」が溢れていて癒された。2023/02/18