内容説明
うつ病は、確かにつらく苦しい病です。けれど、普通に治療すれば、普通に治る病気なのです。もちろん、遷延や再発といったこともありますが、それも他の病気と考え方は一緒です。「一億総うつ病化社会」に贈る、本当の処方せん。
目次
1 お父さんの部下が「うつ」です(「私、うつです」と自己申告する部下;会社休んで海外旅行って… ほか)
2 お母さんが家で爆発しました(ごきげんななめの「うつ奥様」;夫へのDVが増えています ほか)
3 学生だって「うつ」になるんです(試験は「うつ」でクリア!?;これって思春期の悩み?うつ病? ほか)
4 うつ病はふつうの病気なんです(うちの兄は「うつ」ですか?;うつは特別な病気? ほか)
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
精神科医、立教大学現代心理学部映像身体学科教授。1960年7月1日北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒。学生時代より雑誌等に寄稿。その後も臨床経験を生かして、新聞、雑誌で社会批評、文化批評、書評なども手がけ、現代人の“心の病”について洞察を続けている。専門は精神病理学だが、テレビゲームなどのサブカルチャーにも関心を持つ
鳥居志帆[トリイシホ]
1982年静岡県生まれ。2006年よりフリーのイラストレーターとして活動開始。著書の他、雑誌、Webでイラストや漫画を中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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糸遊
15
鬱病なので読んでみた。鬱病になって、喜ぶ人なんているの。私は今、社会的に底辺にいて、周囲から白い目で見られてる。鬱病を嫌がって、すれ違うことさえ、嫌悪されてる。まるで、1日で虫に変身したカフカ「変身」のザムザみたいなのに。私は変わらないつもりでも、周りは違う。私は異物だ。ここに書かれているような鬱病ばかりじゃないのをわかってほしい。外も歩けないし、息ができないくらい苦しいし、朝も昼も晩も涙が止まらない。でも、それでも理解ある人たちのおかげで生きていられる。そんな鬱病をみなさんにわかってほしい。我儘だけど。2015/03/04
赤とんぼ
12
「うつ」とか「精神病」の敷居はずいぶん低くなったのだなあと、半ば感心して読みました。それで良いことも多い反面、大変なことも多そうです。一昔前に「疾病利得」と言っていたものが、かなり横行していると感じます。「うつ」はとても苦しい病です。新型うつも、感情が二極性に変化するのでは、かなり難しい病ではないのかと思います。精神病の治療の極意は「その人のまともな部分を刺激すること」と教えられましたが、「まとも」の感覚がぶれてきているのかもしれないと思いました。2013/03/30
もーちゃん
9
ほんとにウツなの?なんて聞けないしなぁ。ほんとに辛いんだろうし・・・。新型うつとかのお話2014/02/09
れもん
5
購入してから香山氏の著書と知った。やっぱなぁ…という内容。相当臨床現場でいろんな方々に振り回されているのだろうと思う。安易に「うつ病」と診断してしまう医師にも問題ありで、それを自分に都合良く使ってしまう側にも、もちろん問題あり。もう少し長期型のうつ病の苦しさにも触れて貰えればいいのだけれど。この方の著書ではそれは無いな…。2011/10/18
りりあん
2
うつと言うより「自称うつ」なんじゃないかと思ってしまう新型うつ…。 うつで休んでるのに平気で海外旅行とか行けちゃう(しかもそれを隠さない)図太いメンタルの人がうつだなんて、なぁ。 (自称)うつの人に振り回されるまともな人たちには共感するけど、解決策がないままモヤっと終わってしまった。2014/10/16