出版社内容情報
10年前、自らの手で殺害した最愛の恩師ザ・ボスが生きていた!?“ビッグボス”の称号を得たスネークが、CIAとKGBが暗躍する中米で、謎の武装集団と核の脅威に立ち向かう。大ヒットゲームの傑作ノベライズ!
内容説明
1974年。戦争と軍隊を放棄した国家コスタリカに、謎の武装集団が出現。背後には米ソの不穏な思惑が隠れている。平和を望む少女パスの願いをかなえるため密林に潜入したスネークを待ち受けていたのは、10年前に自ら殺害した最愛の恩師ザ・ボスと、完全なる核抑止を実現する自律歩行型核兵器ピースウォーカーだった。ザ・ボスは生きているのか。核抑止による平和は可能なのか。スネークの壮絶な任務が始まる。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くらびす
22
トマス・ウルフ言うところによれば、人は故郷に戻ることはできないらしい。過去を保持する記憶は刷新され、同一性を担保するものを人は持つことができない。待ち望んだ再会が苦々しいものになることだってあるのだ。少なくとも小島秀夫が奉ろうとしているのは、私からすれば窮屈で独善的で高飛車で、(それが意識的なものであっても)息苦しいものでしかない。2014/05/28
しお
14
これが、核問題の現実なんだ。フィクションも織り交ぜられているけど、このままだといつこんなことがあってもおかしくない。兵器で平和を実現する。こんなの、絶対に正しくなんかない。でも、愚かで醜い私たち人間の下では、正しくなりかねないのだろう。「ぼくたちは、何かの結果であり、何かの原因でもあるのだ」…今まで読んだことのないジャンルだったから、読むのにすごく時間がかかった。でも後半からは、だんだんのめりこんでいった。2019/12/31
磁石
11
あとがき見て驚いたけど、これがデビュー作とは……。スネークの成長と迷い、そしてザ・ボスとの決別によって真にビッグボスになるまでの軌跡を、非常に丁寧に描かれている作品。ゲームで知っていたはずなのに、スネークがチコや仲間たちにかける言葉と想いがいい具合に前面に出て、彼のカリスマの一端を改めて見させてもらった。次の作品にも、期待したい。2014/04/10
nnpusnsn1945
9
「平和」という難しいテーマを扱いながらも面白く、考えさせる切っ掛けになったゲームの感動が読んでいて甦った。さすがにシリアスな話のみだが、小説ならではの例え話の挿入は魅力的である。また、マザーベースの生活が描かれているのも良く、ゲームになかった視点が補完できる。ライトノベルで似たような作品があれば最高なのだが、知っている人がいれば教えてください。2020/10/09
あだむ
8
同名ゲームのノベライズだが『MGS4』をノベライズした伊藤計劃へのリスペクトを感じさせる「死者の帝国」などの表現や意識した文体を用いて、尚且つ違和感のない、それでいて独立したメタルギア世界観を表現していたのが凄いと思った。文中にグラウンドゼロズやファントムペインとの繋がり、そして未来に続くメタルギアサーガを暗示する単語などがちりばめられていた所もファンサービスとしてうれしい所だった。ただ、心理描写や設定がきちんとしていた反面CQCや銃撃戦などアクションシーンが淡泊になっていたのが少しマイナス点。2014/04/19