とまどい関ヶ原

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  • サイズ B6判/ページ数 299p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569790992
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

敵中突破しての大坂行き。でも、同行者がヘンだ!毛利家の野望と、安国寺恵瓊の習慣は相性が悪い?両軍にいい顔をしたら、わが城が東西の境目に!手勢わずか六百。なのに関ヶ原の勝敗の鍵を握らされた!天下分け目の合戦は人生の分かれ目!栄達か、しからずんば死か。大きな岐路を前にとまどう男たちを、温かく(?)描いた傑作短篇集。

著者等紹介

岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。1996年『一所懸命』で第64回小説現代新人賞、1998年『簒奪者』で第5回歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞を受賞し、作家生活に入る。2004年『村を助くは誰ぞ』で第28回歴史文学賞、2005年『十楽の夢』が直木賞候補となる。2008年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤枝梅安

35
関ヶ原の合戦に至る大名や武将たちの騙しあいや腹のさぐり合いなどを、その家来たち、いわば「現場の担当者」の視点で描かれた8編をまとめた1冊。中には筆者の解説風のものや、最後の1編のような当事者の独白の形をとった者もあり、飽きずに読むことができる。最後の1編は盛岡に移された宮部長房が田中吉政に嵌められた顛末を語るもので、史実を基にしたフィクションである。ただし、その「史実」さえ、残された文書によるもので、真実は今となっては藪の中、である。岩井さんは軽妙洒脱な文体で、「現場の悲哀」を見事に表現している。2011/04/09

金吾

25
○あまり有名でない武将や雑兵たちの関ヶ原です。心理描写が面白く、それぞれの短編を楽しめました。朽木の話はかなり笑えました。2023/05/11

つーこ

25
歴史上あまりにも有名な関ヶ原の戦い。数ある戦国武将が華々しく名を馳せたこの戦いにおいて、全く注目されていない、取るに足らないストーリーがこの本には詰まっています。メモってないと忘れそうなので書いておくと、大阪の池田屋敷への潜入を命令されたその家臣や、毛利家を考えるあまり右往左往する安国寺恵瓊や吉川広家、伏見城の居留守役の鳥居元忠と甲賀衆、そして関ヶ原に間に合わなかった徳川秀忠などなどなど。全く目立ってない人々だけど、彼らを通して語られるこの戦いも同じ関ヶ原のエピソードなのだ。本当に目の付けどころがニクい!2014/10/15

maito/まいと

15
岩井氏ならではの、時の流れに右往左往する人々の状景が生き生きと描かれている1冊。特に最後の「十九歳のとまどい」はこれまでにない手法で描かれていておもしろかった。きっと私たちは、家康や三成たちのような、時の表舞台に立っている人たちより、表舞台の演出役にやってしまっている人たちにこそ、想いを巡らせなければならないのではないか、と思ってしまいます。。。2010/09/22

カツイチ

12
関が原を抜きにして日本史を学ぶことは出来ない、まさに天下を二分した大事件。それだけに多くの作品に取り上げられてきました。家康・三成はもとより、大谷刑部・島左近・福島正則・真田昌幸・・・スターにも事欠かないのです。しかし、本作は安国寺恵瓊・吉川広家・徳川秀忠と大久保 忠隣は別格としても、多くはは無名・マイナーな武将・大名を取り上げた関が原をめぐる短編集です。それにしても関が原って、東西に分かれて秋の一日で決着がついちゃったりして個人的には「世紀の大運動会」的な。とはいえ、命はもちろんお家も名誉もかけた→続2011/02/12

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