出版社内容情報
ボタンちゃんは、アンナちゃんのブラウスの一番上にとまっています。ボタンちゃんの仲良しは、なんといってもボタンホールちゃんでしょう。
【著者紹介】
小説家
内容説明
小川洋子初の絵本。子どものころ、はじめて考えた物語。ボタンちゃんとボタンホールちゃんはふたりでひとつ。いつもなかよしです。ところがある日、ボタンちゃんをとめていた糸が切れてしまって…。4~5歳から。
著者等紹介
小川洋子[オガワヨウコ]
岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。1988年、「揚羽蝶が壊れる時」で第7回海燕新人文学賞、1991年、「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞を受賞。2004年、『博士の愛した数式』(新潮社)が第55回読売文学賞、第1回本屋大賞を受賞。同年、『ブラフマンの埋葬』(講談社)で第32回泉鏡花文学賞を受賞。2006年、『ミーナの行進』(中央公論新社)で第42回谷崎潤一郎賞を受賞
岡田千晶[オカダチアキ]
大阪府生まれ。セツ・モードセミナー卒。子どもの繊細な表情や仕草、ふとした場面をひろい上げるような気持ちで描いている。ボローニャ国際絵本原画展2010ほかの入選・入賞歴がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
186
小川洋子さんのかわいらしい童話に岡田さんの絵がぴったりの絵本でした。ボタンと仲良しのボタンホールの話で、ボタンを留めていた糸がほぐれて冒険の旅に出ます。最後は元通りということで他愛のないお話ですが、目の付け所が変わっていていい感じでした。2016/08/25
ちょろこ
120
ほっこりの一冊。アンナちゃんのブラウスの一番上に誇らしげにとまっているボタンちゃん。ある日、糸が取れてコロコロと…。そこでボタンちゃんが出会ったものとは?優しいタッチの可愛らしい絵にほっこりできるストーリー。ボタンちゃんが出会った思い出のみんなにかける言葉の優しさがめちゃくちゃ良い。こういう悲しさをガラッと裏返してくれる優しさって気持ち良いな。あの時この時、娘や自分の思い出のものを探したくなった。アルバムと一緒で思い出箱も時々開けるのも大切だね。ほっこりの中にさりげない淋しさも味わえる絵本。2023/03/29
新地学@児童書病発動中
112
素晴らしい絵本。これはお勧め。ボタンを主人公にするアイディアに舌を巻く。ボタンホールまで登場するとは。なんてすばらしい絵本なんだ、と何度も思いながら読み続けた。読み終わるのが惜しい気がした。読み終わった後は、胸が温かくなる。じーんと感動する。みんなが、子供の成長を見守っているのだ。よだれかけだって、立派な人格を持っているという小川さんの世界観が、本当に好きだ。子供の時に読んでいたら、大好きな絵本になって繰り返し読んでいただろう。2017/08/23
きさらぎ
99
アンナちゃんのとっておきのブラウスの一番上にとまっているボタンちゃんは、ある日、糸が切れて部屋の中を転がっていきました。その先には、もっと小さかったアンナちゃんが使っていたガラガラやよだれかけやぬいぐるみがいました。今のアンナちゃんにはいらなくなってしまったけれど、アンナちゃんを喜ばせ、受けとめ、安心して眠らせてくれた大切な物たち。人も物も大切におもう時期は変わっていくけれど、今の自分を作っているのは、過去に守ってくれた人と物のおかげなのだと思います。小さいアンナちゃんには、まだわからないだろうな。2016/08/05
さおり
93
昨日、お仕事で「読書感想文の会」なるプチイベントをしました。ワークシートを使って感想文を書いてみよう!(夏休みの宿題に追われる親御さん、少しでも楽してね)っていうもので、それに参加した子が課題図書からこの本を選んでたので、読んでみた。私は、ボタンホールちゃんがツボで(だって、穴じゃん!)、参加者の小2男子は、自分ならどんな箱にしようかの妄想が膨らんでました。2016/07/25