岩波現代文庫 丸山眞男座談セレクション〈上〉

丸山 眞男【著】/平石 直昭【編】

岩波書店（2014/11発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 382p／高さ 15cm
• 商品コード 9784006032746
• NDC分類 304
• Cコード C0131

出版社内容情報

人と語り合い議論することをこよなく愛した丸山眞男が，その時々に良き相手を得てくりひろげた座談をセレクトする．対話者は学者・作家・ジャーナリスト・俳優など広範な分野におよび，主題は学問はもとより時事問題から芸術まで多彩をきわめる．知性と感性の響き合う闊達な座談．上巻は1948～65年の10篇を収録．(全2冊)

内容説明

人と語り合い議論することをこよなく愛した丸山眞男氏。その時々に良き相手を得てくりひろげた座談をセレクトする。対話者は学者・作家・ジャーナリストなど広範な分野におよび、主題は学問はもとより時事問題から芸術まで多彩をきわめる。知性と感性の響き合う闊達な座談の中から、類いまれな同時代史が立ち上がってくる。上巻は一九四八～六五年の十篇を収録。

目次

教育の反省（丸山眞男・宮原誠一）
現代社会における大衆（猪木正道；田中耕太郎；丸山眞男）
現代革命の展望―「ハンガリア」論争批判（江口朴郎；竹内好；埴谷雄高；丸山眞男；吉野源三郎）
思想の冒険（大塚久雄；久野収；丸山眞男）
芸術と政治―クルト・リース『フルトヴェングラー』をめぐって（丸山眞男；吉田秀和）
現代における革命の論理（佐藤昇；丸山眞男）
非西欧世界の近代化―とくに中国と日本について（開高健；丸山眞男）
戦後日本の精神革命（南原繁；丸山眞男）
日本神話をめぐって（井上光貞；丸山眞男）
民主主義の原理を貫くために（針生一郎；丸山眞男）

著者等紹介

丸山眞男［マルヤママサオ］
１９１４‐９６年。政治学者、思想史家

平石直昭［ヒライシナオアキ］
１９４５年生まれ。東京大学社会科学研究所教授を経て、帝京大学教授。政治思想史（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[佐島楓]

イズムが多く語られる背景には、世界が現在と大きく異なっていた前提があることは自明の理である。しかし現代の人間はあまりしないであろう言い回しが頻出して、読むのに難儀した（私の勉強不足に拠るところも大きい）。埴谷氏、開高氏といった文学者との対談もあり、多彩な座談集である。

2018/12/01

[壱萬参仟縁]

宮原誠一氏：生活のための学問であるというプラグマティズム。理論とは使うためのもの。学問とは生活のため（２３頁）。丸山眞男氏：大衆のヴァイタリティを信じ、自発性、能動性をあらゆる方面に伸ばして行って積極的に文化の担い手たらしめる以外に方向はない（５４頁）。猪木正道氏：共産 主義は資本主義、帝国主義による人間の非人間化の問題を解決しながら、他面プロレタリアートを物心化することによって、人間を非人間化してゆく（７４頁）。丸山氏：内発性は、自分の中にある偏見に居直ることになる。

2015/06/14

[check mate]

終戦直後はギョッとする発言も結構あるけど、それは丸山氏の「限界」ではなく、むしろ「その人物の生きた時代までくぐっていかな」い私自身の限界であることは勿論である(338頁井上光貞対談)

2016/01/11