出版社内容情報
やなせ先生夫妻の秘書が語るふたりのこと
2025年春NHK朝ドラ「あんぱん」の
モデルとなったやなせ夫妻に
20年寄り添った秘書がはじめて語る
おふたりの暮らし、生活、仕事に思い出…。
たまたま通っていた茶道教室の
お師匠だった
やなせ先生の奥様にスカウトされ、
やなせ先生のスタジオで働くことになった著者。
先生のことをくれぐれも頼むと
言い続けて亡くなった奥様のこと、
お茶や夕食の時間、またふとした時間に
先生の口から語られる
幼少期や青春時代、
仕事にかける情熱の話。
そして、ユーモアにあふれた
先生との日々の暮らし…。
さらに、先生自ら「十病人」と称するほどに、
つぎからつぎへ襲ってくる病気に
翻弄されるふたりの闘病&看病日記も収録。
マイペースでのんびりと
いつも人の一番うしろにいた著者が
先生の残したしっぽのような
思い出とことばをたどるエッセイ集です。
【編集担当からのおすすめ情報】
いつも元気とユーモアにあふれていたやなせ先生が、
著者に見せた甘えや弱さに
二人の絆を感じます。
著者が聞いた先生最後の作品は
涙なしには読めません。
親子でも夫婦でも恋人でもないふたりの
どこかおもしろい日々には
優しさがあふれています。
内容説明
2025年春NHK朝ドラ「あんぱん」のモデル・やなせ夫妻に20年寄り添った秘書が語る心温まる思い出たち。
目次
第1章 奥さんのこと
第2章 先生の記憶
第3章 先生と仕事
第4章 先生と暮らし
先生の闘病記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
104
著者は、やなせ先生の妻・柳瀬暢さんにお茶を習っていたご縁から、先生の事務所に入り、先生の最晩年を支えた人物。先生の側に仕えて聞き知ったことを、著者の主観を通して記述している。必要以上に対象者を美化しない素朴な文章から、やなせ夫妻の普段着の姿が垣間見えるが、先生の業績と人格の本質に鋭く迫った梯久美子さんの見事な評伝と較べると、得られる感動は乏しいかもしれない。いつもながら、やなせ先生の何気ない言葉が心に残る:「いい作品を作りたければいい人になればいい」「作品には毒を入れない」「大人の失敗を面白く書かない」。2025/08/07
明るい表通りで🎶
53
「子どもが持つエネルギーは巨大で強力だから、子どもに向かう時は、全力投球をしなくてはそのエネルギー消費に負けてしまう。持っている力を出し尽くさなくてはダメなのだ。だからクタクタになる」やなせたかし。漫画家の間では作品のタイトルに”ん“がつくとヒットすると言われる。アンパンマンは、三つも”ん“がついている。運がつく(o´∀`)b 2025/07/02
D
46
『アンパンマンの遺言』を読んでから読むことをお勧めします。やなせたかし先生の秘書の方が書いたやなせ夫妻の評伝。老いと天才がどう向き合っていたのかよくわかっておもしろかった。やなせたかし先生の飾らないところが好きだなぁ。2025/08/06
しきぶ
7
オーディブル視聴。長年やなせ先生の秘書をした方によるやなせ夫妻の話。やなせたかしさんと言えば、ニット帽をかぶって笑ってらっしゃる写真の印象で、本作の先生はその姿で脳内再現された。先生の言葉はどれも素朴で温かくてユーモラスで優しくて、あの笑顔にぴったり。そしてそれを綴る著者のスタンスや思いが先生と同じ雰囲気を纏っていて、とても心地のよい素敵な作品だった。アンパンマン以外の作品をそれほど知らなかったので先生の仕事量とバイタリティに驚く。著者が先生の最後の詩だという言葉、自分の人生の最期にこんなこと言えるかな。2025/08/26
ナツ
3
高知のアンパンマンミュージアムに行った時に気になって、図書館で予約。 やなせたかし先生・のぶさんの人柄、越尾さんのサポート、いろんな人の生き方に触れた気がする。 やなせ先生は本当に穏やかで前向き。病気をされてからの描写は人間らしくもあった。生き方を見ると同時に、死というものも見たような気がした。全ての人がやなせたかし先生の生きる支えだったんだな。2025/09/12