出版社内容情報
火事とケンカは江戸の華。粋でいなせな火消しの纏持ち・政五郎にはある秘密があって……。笑って泣ける人気時代小説、待望の第十巻。
内容説明
おけら長屋にわけがあって引っ越してきた商家の若旦那が、金太に弟子入り!?(「さかいめ」)、研屋の半次は万造と松吉にそそのかされて、ひと目惚れした相手のために大食い大会に出ることに(「もりそば」)、火消の纏持ち・政五郎は、男の中の男として江戸っ子の憧れだったが、思わぬ過去が明らかになり…(「おくりび」)など、著者入魂の五篇を収録した笑って泣ける超人気シリーズ第十弾。
著者等紹介
畠山健二[ハタケヤマケンジ]
1957年、東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。日本文芸家クラブ会員。著書多数。2012年、『スプラッシュマンション』(PHP研究所)で小説家デビュー。文庫書き下ろし時代小説『本所おけら長屋』(PHP文芸文庫)が好評を博し、人気シリーズとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
176
『さかいめ』草履屋の馬鹿息子・弥太郎が長屋に越してきて…。『あかぎれ』後家のお福と薬売り・和助の切ない恋に一肌脱ぐ長屋の住人。『あおおに』人嫌いの喜之助と与兵衛の孫・長太郎の兄弟を想うイイ話。『もりそば』研ぎ屋の半次が惚れた女を振り向かす為に蕎麦の大食い大会に出る。『おくりび』江戸っ子を騙って火消しになった政五郎と長屋の面々。金太が随所で「助演男優賞」な働きがあって、彼をメンバーに置いてある巧さに頷きつつ、10巻になっても面白さが落ちていないことに拍手!政五郎の決着が可哀想なので再起する話を書いて欲しい♬2020/03/17
やま
157
本所おけら長屋10作目 2018.02発行。字の大きさは…中。 さかいめ、あかぎれ、あおおに、もりそば、おくりびの短編5話。本所亀沢町のおけら長屋の住人が、おりなす泣けて笑えてしんみりする人情物語です。草履屋飯田屋の主人・九兵衛が倅・弥太郎を持て余し、おけら長屋の大家・徳兵衛に頼み長屋に住まわせると、万造、松吉に感化され心を入れ替えて長屋で暮らしだします。新たな住民・弥太郎の泣き笑いが面白いです。読んでいると、よく笑いが出たり、しんみりとしたりと変化が有り、飽きさせません。テンポも良く、次巻が楽しみです。2020/11/09
のり
115
本作は金太の活躍?が目を引いた。強烈なインパクトを醸し出す異端児だが、愛され度合いは大関級。またもや新参者が、おけら長屋に住み着いたが、これまた騒動の種。相模屋の幼き兄弟の思い遣りも良かったし、「あかぎれ」の話は、常総屋の主の懐の広さに感服した。2018/11/13
はにこ
103
さかいめでは新しい住人になった弥太郎のぼて降り修行。あかぎれでは陰で娘の成長を見守る男とその恋の話。あおおにでは弟の健康を祈る兄と自分の殻から抜け出そうとする男の話。もりそばは半次の恋の話。おくりびは纏の男の話と様々なゲストにおけら住民達が絡んでいく展開。今回も金太のアホ具合が突き抜けてた!でも皆優しく見守ってくれていて笑ったりほっこりできた。大家のふんどしのリサイクル具合が一番のツボだった。2020/08/31
アッシュ姉
95
第十弾は金ちゃん大活躍の巻。無敵の金太は場を和ませる天才。どんな場面でも笑いに変えちゃう唯一無二の存在だ。お満ちゃんの啖呵に拍手喝采し、万松漫才に笑いころげ、表紙の場面でうるっときたところで最後の最後にまたもや爆笑。まさかのあれがそれで吹いた!表紙を見るたびに笑いがこみ上げてくる。あぁ面白い!はぁ楽しかった♪2020/11/18