出版社内容情報
自然のくらしは、つねに移りかわるものです。花は毎年、春になると咲きほこり、秋がくると色あせるというサイクルを太古の昔から続けています。動物たちも、めぐる季節のなかで食べ物をさがし、子どもを育て、ときには遠く遠く離れたところへ旅してその一生を送っていくのです。この本では、四季のさまざまな変化が本物の押し花や押し葉を使って描かれています。
内容説明
すべてが押し花だけで描かれたこの美しい本を通して四季を旅してください。押し花アーティストのヘレン・アポンシリの手によって花びらや葉、種が、はねる野ウサギや、空から舞いおりるツバメ羽ばたくチョウに姿を変えました。ページをめくって、花が蕾を開き、鳥が飛びたつところをながめ動物たちのすまいをそっとのぞいてみてください。ひとときの魔法に心が躍り、自然の一年のなかに不思議を見つけることでしょう…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
177
巡る季節の中で咲き誇る色んな草花がモチーフとなって集まり、命のひとときはここに生まれる。押し花の多彩な色合いやかたちが、野ウサギやツバメ、カエルや蝶となり、華やぐ自然を描いていく。長い冬が終わると木々の目覚めをコーラスが迎えてくれる。ほころぶ蕾を待つ生き物たちはそよ風に揺れている。夏の夜のフクロウは花飾りに身を纏いその時を見つめている。鹿の角は靭やかに幾重にも広がり、綿毛は妖精のように空に消えていく。葉が重なり合い眠る頃、大空を舞う旅立ちの鳥を見送る森の精霊。純白の冬毛の足あとは生命の自然美を白銀に刻む。2023/01/07
ままこ
85
繊細な美しさに目を見張る。押し花、押し葉のみでコラージュされた四季折々の自然の営み。色とりどりの花とひらひら舞う蝶々まさに春爛漫。夏の暗闇に浮かび上がるフクロウは存在感抜群。実りの秋ファンタジックなキノコと可愛いリス。冬仕様のふっくらとした小鳥たちに凛としたアカギツネ。蜘蛛の糸もお見事。ページをめくるたび精巧さに心ときめきながら生命感溢れる四季の旅を満喫できた。2022/03/20
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
51
この絵一つ一つが押し花で出来たコラージュですが、ページを捲るたびに美しさに息をのむ。そして、季節を巡りながら、命の尊さも感じることが出来る。押し花で作られたことで、より一層自然の素晴らしさを感じた1冊でした。2022/01/03
ぶんこ
46
凄い!全てのコラージュに、数えきれないほどの花や葉が使われていました。まさに驚くばかりの緻密さ。アポンシリさんの根気に頭が下がります。最初は文字抜きで、鮮やかな色彩、個々の生き物たちの躍動感に魅了され、そのあとゆっくりと読んでみました。すると『へぇ〜』と驚くことばかり。小さな鳥は、巣がいっぱいになるまで1日に1個ずつ卵を産む。カヤネズミは害虫を食べて農業を助けている。ツバメは何ヶ月も休まずに飛び続けられる。V字で飛ぶ渡り鳥は、先頭が疲れると後ろの鳥がかわる。美しさに驚き、知識の豊富さにも驚きました。2022/05/21
チャーリブ
45
ユニークな押し花アートの絵本。押し花といっても花だけではなく、様々な植物のカラフルな葉も多く使われています。作家は、細かな葉や花を組み合わせて、移りゆく四季の中に生きる鳥や虫、動物たちを描いています。鮮やかな花や葉から成る生き物たちは、あたかも地球上の生き物が植物の光合成のおかげて命を得て、活動していることを象徴しているかのようです。それにしても生き物たちの瞳がリアルです。何の葉でしょうか?○2023/01/12