出版社内容情報
物作り日本の最前線を行く熱き男達の素顔とは。
かつてモノ作りで世界の注目を集めた日本。が、いま、再びその実力に世界の産業界が熱い視線を投げかけている。その最前線をリポート。
本書は、月刊誌『Voice』に「新・技術立国の主役」というタイトルで、1年にわたり連載され、連載時から各方面で好評を得た、片山修氏の経営トップへのインタビューを、ダイレクトに文庫化したものである。
▼登場する多くのトップへの質問は、平成不況をどう克服してきたか、安い労働コストで勝負をかけてくるアジア企業とどのように渡り合ってきたのか、さらには今後の経営戦略や現在の経営環境をどう見るかなど、具体的な問題から日本経済の長期的予測などまで、実に幅広い。しかし、さすが企業取材のベテラン、片山氏の巧みな質問に、トップの本音が見え隠れしているところが何といっても面白い。
▼しかし、全編をとおして見えてくるのは、日本の技術は衰退したのではなく、本書のタイトルのように、アジア企業などには、まだ真似のできない一歩先を歩んだ、「日本にしかできない技術がある」という事実だ。モノづくりニッポンに自信が持てる一冊だ。
●たんなるコスト削減からは国際競争力は生まれない―三洋電機社長 桑野幸徳
●闘争心のない技術はいらない―日本電産社長 永守重信
●「前工程」こそ日本の強さだ―リコー社長 桜井正光
●ローテクなくしてハイテクなし―ミレニアムゲートテクノロジー社長 竹内 勇
●技術流出は怖くない―村田製作所所長 村田康隆 ほか
内容説明
バブル経済の崩壊以後、日本の成長神話は崩壊し、安い労働コストを武器にアジア諸国の新興企業が台頭し、ここ数年、日本のお家芸であるモノづくりに対する危機感は高まるばかりだった。しかし、日本のモノづくりは死んではいなかった。まさに「日本にしかできない技術」が経済を牽引しだしたのである。本書は、「新・技術立国ニッポン」の最前線を追ったドキュメントである。
目次
1 たんなるコスト削減からは国際競争力は生まれない―製造業は「創造業」へと進化する(三洋電機社長・桑野幸徳)
2 闘争心のない技術はいらない―世界一の精密小型モーターが誇る意識改革(日本電産社長・永守重信)
3 「前工程」こそ日本の強さだ―研究開発と商品開発で日本はもっと強くなれる(リコー社長・桜井正光)
4 ローテクなくしてハイテクなし―メッキ加工技術を極限まで追求する―(ミレニアムゲートテクノロジー社長・武内勇)
5 技術流出は怖くない―「部品部門の特許取得ランキング一位」の自負と戦略―(村田製作所社長・村田泰隆)
6 合繊はなぜ生き残ったか―三十年前からデフレを知る繊維産業大手のノウハウ―(帝人社長・長島徹)
7 モノづくりを忘れた国は滅びる―進化のカギは量から質への転換(本田技研工業社長・福井威夫)
8 「垂直統合」で技術をブラックボックス化する―液晶技術のトップ企業が語るキーデバイスへの執念―(シャープ社長・町田勝彦)
9 研究開発に目的はいらない―「デンプン加工業」から脱皮したバイオ企業の発想法(林原社長・林原健)
10 工場は二カ月で生まれ変わる―一八の世界一製品をもつ自動車部品メーカーの自負(デンソー社長・深谷紘一)
11 ロボットが空洞化を防ぐ―一兆円のロボット市場を制した驚異の「知能化」戦略(ファナック社長・稲葉善治)
著者等紹介
片山修[カタヤマオサム]
名古屋市生まれ。経済ジャーナリスト、経営評論家、学習院女子大学客員教授。緻密な現場取材に支えられた企業経営論、組織論、人事論には定評がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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