出版社内容情報
三国同盟に反対し、開戦後も戦争の早期終結に奔走した井上。戦争の愚と英語教育の重要性を説き、ひとり戦い続けた異色の海軍提督。 井上成美といえばすぐ思い浮かぶのは、文字通り日本海軍の最後の海軍大将であるということである。作品としてはかの阿川弘之氏の大作『井上成美』があるが、本書は井上の一代記というよりは、日本が終戦という結末に至る過程に力点をおいて描いている。井上は当初から日米開戦には反対だったが、その真骨頂はまさに終戦工作にあったといってよいであろう。▼周知のように、太平洋戦争における日本の終戦は、最終的には天皇の聖断によって決定された。しかしそこに至る道筋は決して平坦ではなかった。特に徹底抗戦を主張する陸軍の抵抗はすさまじく、それは数々の妨害工作という形となって表れた。例えば玉音放送阻止、さらには宮城占拠をまで企図した陸軍の反抗分子たちの暗躍は成功寸前までいっていたのである。もし井上の周到な事前工作がなければ、日本の終戦は遅れ、一億玉砕に近いみじめな結末になっていたであろう。井上はまさに昭和の勝海舟だった。 ●第1章 日本壊滅 ●第2章一億玉砕 ●第3章 皇国敗北 ●第4章 仮想敵国 ●第5章 重臣慟哭 ●第6章 宮城占拠 ●第7章 国家転覆 ●第8章 陸相自決 ●第9章 日本再生
内容説明
無条件降伏か徹底抗戦か。“昭和の勝海舟”と称された海軍の異端児。この男なくして日本に「終戦」はなかった。継戦派が大勢を占めるなか、ほぼ独力で終戦工作を成し遂げ、八千万同胞の命を救いあげた最後の海軍大将、井上成美の爽然たる生きかたは、時代に流されず正論を堅持する美意識につらぬかれている。
目次
第1章 日本懐滅
第2章 一億玉砕
第3章 皇国敗北
第4章 仮想敵国
第5章 重臣慟哭
第6章 宮城占拠
第7章 国家転覆
第8章 陸相自決
第9章 日本再生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryuji
Koichi Mori
静岡茶