出版社内容情報
東西の歌舞伎界を描きつつ写楽の実像を追う!
ときは江戸中期。華やかな東西歌舞伎の実相を克明に描きながら、謎の天才絵師・東洲斎写楽の実像をあぶり出す、異色の長編時代小説。
江戸期の東西歌舞伎の実相を克明に描きながら、謎の天才絵師・東洲斎写楽の正体をあぶり出す、異色長編時代小説。
▼寛政の改革の嵐が過ぎ去り、江戸の町にも漸く活気が戻った頃、上方の人気歌舞伎作者・並木五兵衛は、鳴物入りで江戸に呼ばれることに。彼の江戸下りに先立ち、一人の男が大坂の町を後にした。大道具の彩色方をつとめる彦三という男である。五兵衛のたっての頼みにより、江戸での手助けと、江戸芝居の様子を前もって報せる役目を担っていた。だが、待ちわびる五兵衛の許に彦三からの報せはなく、漸く届いたものは東洲斎の雅号を付した幾枚もの版摺絵であった。江戸の大立者を大胆な筆致で描いた似顔絵であり、五兵衛はそこに描かれた旧知の役者に思いを馳せつつ、江戸へ下っていくのである。
▼東西の風習・文化の違いと、芝居という虚の世界に、真実を追い求めた男たちの哀歓を、見事に描出した力作である。時代小説大賞受賞作家のデビュー作。
内容説明
寛政の改革の嵐が去り、江戸の町に活気が戻ったころ、上方の人気歌舞伎作者・並木五兵衛は江戸下りを決意する。五兵衛に先立ち、大道具の彩色方・彦三が大坂を後にした。江戸芝居の様子を報せるためでもあったが、待ちわびる五兵衛の許に届いたものは、東洲斎の雅号を付した幾枚もの版摺絵であった…。謎の絵師・写楽の正体と、芝居という虚と現実の狭間に生きる男たちの哀歓を描く力作。
著者等紹介
松井今朝子[マツイケサコ]
1953年、京都生まれ。早稲田大学大学院演劇学修士課程終了後、松竹株式会社演劇制作部に入り、歌舞伎の企画制作に携わる。退社後、歌舞伎上演台本の作成、評論、演出などを手がけ、97年、本書で作家デビュー。同年、『仲蔵狂乱』(講談社)で第8回時代小説大賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 世界百名山 (愛蔵版)