感想・レビュー
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夜間飛行
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ヴェルサイユの宴会に怒った何千もの女が、「あの女(妃)の腹を裂く」と手に手に包丁や奪った銃を持って行進した事件は衝撃的だが、さらに驚いたのは彼女らの代表が議場でスカートを捲って議員連を挑発し抱擁したことだ。この乱痴気騒ぎに、ルイ16世「こうしたことに誰かが金を払っているのかね」、家来「いいえ陛下、民衆を動かしているのは彼らの意見でございます」…不謹慎だが革命には何か人を笑わせるものがある。一方、神父たちの虐殺には心が凍りついてしまう。相手も同じ人間とは思わないのか。すべてが悪夢か、血生臭い祭のようだった。2019/11/21