出版社内容情報
高度な内容を平易な文体で書かれた本書は約40年余、精神科医療従事者の治療のバイブルであった。20年ぶりに加筆され刷新!
星野 弘[ホシノ ヒロシ]
日本精神神経学会員、精神保健指定医。星野メンタルクリニック院長
目次
精神科医の常識であってよいであろうこと
新米精神科医時代の体験から学んだこと
電撃療法のこと
病棟・患者・看護スタッフ・医師のこと
精神病院の夜回診のこと
再発のこと
慢性分裂病の治療とたかが体重などのこと―初歩的な中医学・漢方・舌診をふくめて
月経のこと
いわゆる治療困難・処遇困難例について
安定しない慢性病態について
薬物療法についての雑感
著者等紹介
星野弘[ホシノヒロシ]
1945年新潟県柿崎(現・上越市)生まれ。精神科医。1969年東京慈恵会医科大学医学部卒業。1970年都下、青木病院勤務。1987年青木病院を退職。それまで東京大学附属病院分院神経科非常勤医師兼務。1989年長野市鶴賀病院勤務。1992年青木病院に復職、診療部長。東大分院神経科研究生。その後、高田西城病院、さつき台病院等を経て、2012年星野メンタルクリニックを開業、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayoA
2
さすが名著。もっと早く読んでおけばよかった。精神科治療の特殊性 (病気ではなく人間そのものを診る) がよく理解できた。この先AIがどんなに進化しても精神科医の代わりはできないだろう。いや、人工知能ができない医療を実践しなければならないのだろう。最近の自分の治療のありかた(処遇困難な患者へ強引なことをしていた)を振り返り、恥ずかしくなった。患者と治療者間の信頼関係が何よりも大切なのだと再確認できた。2023/05/29
つなぐ
2
統合失調症患者は私達とかけはなれた無茶苦茶な行動をする存在として見るのではなく、患者なりの苦痛への対処の結果だということが見えてくると、患者を何かで変えるような治療は効果的でなく、患者が変わろうとする余裕を作り出して、そっと後押しするような治療が効果的なのかもしれません。著者の患者を一人の人間として尊厳をもって接する態度、そして信頼関係があるからこそ、患者さんに安心して緊張をといてもらえること。統合失調症の緊張から休息への変化、ゆとりのある回復。初心を忘れずに大切にしたい患者との関係性が書かれています。2017/12/24
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