出版社内容情報
刑法175条(わいせつ物頒布等罪)の「わいせつ」概念を基に、性表現規制の根拠として措定される「正常さ」とは、何に由来するのか。その「正常さ」は特定の者--女性や非異性愛者などの周縁化されてきた者--の「他者」化を招くものではないか。この問題は既存の刑事法学・憲法上の議論で解決可能なのかを探り、フェミニスト法学の議論を手がかりとして分析を試みる。近年、性暴力に関する刑事規制に対して大幅な改正が行われていること(性犯罪法改正)、他方で同様に性に関する刑事規制でありながら、法改正やそれに繋がる議論が性犯罪規程と同程度にはなされていない刑法175条のわいせつ物頒布等罪の案件(ろくでなし子事件など)を対比し、論を進める。
【目次】
第1章 問題提起--日本における判例の現状と問題
1 はじめに
2 判例の状況と問題
第2章 学説の現状と問題
1 わが国における性関連犯罪の法規制の変遷
2 旧刑法――戦前までの学説と問題:性の国家管理としての「性犯罪」
3 戦後の学説とその問題
4 小括:学説の問題について
5 本章までのまとめと次章以降に向けて:日本の議論の問題点と解決の手がかり
第3章 米国における議論--ObscenityとPornographyをめぐる「言論の自由」とラディカル・フェミニストによる批判
1 はじめに
2 Obscenityの歴史--18世紀ヨーロッパから21世紀米国まで
3 米国における“Obscenity”法理の形成:修正第1条
4 フェミニズムと性表現:ObscenityからPornographyへ
第4章 フェミニストによる「性の政治」と表現/言論の自由
1 はじめに--MacKinnonの議論の問題と、解決のための道筋
2 フェミニスト理論の歴史とその批判:フェミニズムの歴史・批判性・基礎となる概念
3 MacKinnon以降のフェミニスト--ポスト構造主義フェミニストの「主体」とポルノグラフィー
4 芸術/わいせつ/ポルノグラフィーの境界--「表現」批判とフェミニズム
5 本章のまとめと次章に向けて
第5章 「 わいせつ」概念の再検討--フェミニスト法学を手がかりに
1 米国法・フェミニスト法学の応用可能性
2 刑法175条の「わいせつ」規制制度の問題
おわりに
目次
第1章 問題提起―日本における判例の現状と問題(はじめに;判例の状況と問題)
第2章 学説の現状と問題(わが国における性関連犯罪の法規制の変遷;旧刑法~戦前までの学説と問題:性の国家管理としての「性犯罪」 ほか)
第3章 米国における議論―ObscenityとPornographyをめぐる「言論の自由」とラディカル・フェミニストによる批判(はじめに;Obscenityの歴史―18世紀ヨーロッパから21世紀米国まで ほか)
第4章 フェミニストによる「性の政治」と表現/言論の自由(はじめに―MacKinnonの議論の問題と、解決のための道筋;フェミニスト理論の歴史とその批判:フェミニズムの歴史・批判性・基礎となる概念 ほか)
第5章 「わいせつ」概念の再検討―フェミニスト法学を手がかりに(米国法・フェミニスト法学の応用可能性;刑法175条の「わいせつ」規制制度の問題)
著者等紹介
來住南桃[キスナモモ]
2020年 京都大学法学部卒業。2025年 京都大学大学院法学研究科法政理論専攻博士後期課程修了。京都大学大学院法学研究科特定助教を経て、2026年より京都産業大学法学部助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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