孤立する都市、つながる街

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532176730
  • NDC分類 361.7
  • Cコード C0031

出版社内容情報

○引きこもり、孤独死、幼児虐待事件……。
かつて「自由」の象徴だった都市生活では、コミュニティの希薄化が進み、住民は孤立し、精神的・物理的に追い込まれている人々の問題、「玄関の中で起きている問題」が見えにくくなっています。

○こうした都市住民が抱える問題は、決して他人事ではありません。誰もがそれぞれのライフステージで、いつ厳しい現実に直面するかわからないのです。では、どうすればいいのか――。

○本書は、研究者、地方行政担当者、地域活動の専門家たちが、自らの活動で得た経験・エピソードを豊富に紹介しながら、地域の人々が支え合い、街の価値を上げるための方策を多方面から解説します。

内容説明

社会から疎外される若者、支援なき子育て、そして孤独な高齢者…。行政などの「制度」では支えられにくい、社会的孤立は、どこでどのように起きているのか。都市を取り巻く課題をどう解決するのか―。地域課題に関わる専門家が、都市の現状を報告し、誰もが身近な場所で支援が得られる仕組み、生きがいを見つけられる街を構築する方法を考える。

目次

はじめに―生きづらい都市への挑戦
第1部 「孤立する都市」で何ができるのか(一瞬で滑り落ちる若者たち―切れ目ない支援を目指す;孤独な都市の子育てと群れられない子ども―まちで子どもが育つための取り組み;SOSが出せない無縁コミュニティ―地域共生社会への挑戦)
第2部 「つながり」を創出するために、何を考えるのか(閉じて固まった地域を開く―創発するコミュニティによる郊外の継承;当事者意識が薄い人々を変えられるか―持続可能な経済圏を生み出すには;複雑で不確実な地域課題に挑む―共創と未来社会デザイン;公共の再構築を実現するには―国が進めるべき3つの政策;つながるまちへ―社会創造資本が都市を変える)

著者等紹介

保井美樹[ヤスイミキ]
法政大学現代福祉学部教授。早稲田大学士(政治学)、NY大修士(都市計画学)、東京大学博士(工学)。世界銀行、東京大等、NY大・ロンドン大での客員研究員等を経て現職。地域経営論や官民連携まちづくりを専門とし、研究の傍ら全国各地で実践を支援する。全国エリアマネジメントネットワーク副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

46
孤立。いろんな意味での孤立があると思う。それは、数年前から目立つ、この国の排除の論理にも繋がっている。卑近な距離感でそぐわないものを排除する。それでは立ち行かないし、未来への希望も無くなると思うのだが。しかし、一方で、思いを持つ人たちはいるし、そんな動きに眼を向けた1冊。ただ、安易な視点で述べていないのがいいと思う。その難しさを触れたうえで、事例とともに可能性を述べている。隙間をどう埋めるのか?知らないことの危険性。コミュニテイ・インフレはキーワードでもある。2020/10/03

かおり

27
問題も原因も方策も、だいたい皆わかってますよね。わかっていても解決出来ないから困っているわけで。諦めはしないけど、要は「人」となると本当に難しいです。2021/02/07

shikada

27
コミュニティが希薄化し、アウェー感を抱える人びとが暮らす日本の街。著者は、個人がゆるやかに支え合う場や仕組みがもっと増えるべきと考える。貧困や引きこもりといった問題に対し、8人の著者が、それぞれの専門分野に基づいて、解決策を探る。どちらかというと、ハード面ではなくソフト面の支援が多く取り上げられている印象。コミュニティが希薄化した理由や、震災後に、コミュニティや住民間の絆に対する期待が過剰にふくらんだ「コミュニティ・インフレ」の話など、参考になった。2020/02/29

まゆまゆ

18
社会のレールから外れると、途端に居場所が失くなる現代社会。都市部では顕著で、いくら災害時に助け合いが必要だから地域コミュニティを大事に、といわれても、実際には玄関から外に出てきて可視化されるのはごく一部。そんな孤立しやすく傷つきやすい都市において緩やかなつながりを支えようとする数々の取り組みからこれから必要な仕組みを考えていく内容。待っているだけではだめだが、支援の方法もまた地域住民の課題として取り組んでいけるか、がカギになりそう。2020/01/14

wiki

16
コミュニティを手厚くする、人間の孤立を解消しようとする、こうした取り組みは大きなナタを振るったところで解決はできない。地道な取り組みをされている著者はじめ、どうも私には出来ないことだなと頭が下がる。本書の中で類型される姿としては私は自立型かまたはジャンプ型。人間関係の構築に積極的でない。もしくは同一コミュニティの人と関わるより関係のない人と関わる。全く新しい知識や知恵は全く知らない人との出会いで生まれると何故か信じているからだ。建設側の人間としては、もっと交流しやすい建物を作る改革ができないかとはた思う。2020/03/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14319237
  • ご注意事項

最近チェックした商品