ミステリ国の人々

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ミステリ国の人々

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532176174
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

古今東西のミステリ小説に登場する52人を通して、ミステリの知られざる魅力と奥深さを綴る。ファン垂涎!読まず嫌いの人も必読!!ミステリ小説という「国」には作家が造形した様々な「人々」が住んでいる。誰もが知る名探偵、事件の鍵を握る意外な人物、憎めない脇役、不可解だけれど目が離せない人……そんな人たちを通して、ミステリを読むおもしろさが何倍にも膨らむ「ツボ」を刺激してくれる、ミステリファン垂涎、読まず嫌いの小説ファンには目からウロコのエッセイ集。

ホームズ、ルパン、エラリー、金田一耕助という直球もあれば、明智小五郎の妻・文代といった変化球も織り交ぜつつ、本格ミステリの古典とされる『グリーン家殺人事件』やジョン・ディクスン・カーの密室モノ、ハードボイルドではロス・マクドナルド、ミステリの日本三大奇書とされる『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』まで目配りをきかせた人選は、格好のミステリ国へのパスポートになっている。

本書の最大の魅力は、古今東西の名編に、「有栖川有栖」がどのような読書体験を得られたかという個人的な経験が色濃く反映されていること。当然そこには作家だからこそ影響を受けた人物造形やトリックといった"栄養分"も含まれており、著者のファンはもとよりミステリファンにはたまらないエピソードばかりである。エッセイ集とはいえ1話読み切りスタイルでは必ずしもなく、取り上げたそれぞれの作品と登場人物が相互に響き合う連関性を保ち、読み進めていくうちにいつの間にか読者は、作品や登場人物を離れた「ミステリ国」そのものの奥深さに引き込まれていくだろう。作家ならではの読みが冴える待望のミステリガイド!

ヴァン・ダイン
シャーロック・ホームズ
松下研三
明智文代
ほか全52人

有栖川 有栖[アリスガワアリス]
作家
1959年大阪生まれ。同志社大卒。89年『月光ゲーム』でデビュー。2003年『マレー鉄道の謎』で日本推理作家協会賞、08年『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞受賞。1996年には大阪市の「咲くやこの花賞(文芸部門)」受賞。著作は多数。主なものに『双頭の悪魔』(「週刊文春」の「20世紀傑作ミステリー」で19位)『乱鴉の島』(07年本格ミステリベスト10・1位)『女王国の城』(08年同・1位)『鍵の掛かった部屋』(15年週刊文春ミステリーベスト10・5位)など。臨床犯罪学者・火村英生シリーズは16年に日本テレビ系でドラマ化され人気を集めた。最新刊は17年1月刊『狩人の悪夢』(KADOKAWA)。

内容説明

これぞミステリ!と膝を打ついかにも“らしい”52人。あの名探偵から、つい見逃してしまう存在まで、名編の多彩な登場人物にスポットライトをあて、世相を織り交ぜながら、自在に綴ったエッセイ集。作家ならではの読みが冴える、待望のミステリガイド!

目次

ヴァン・ダイン―S.S.ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』『僧正殺人事件』
シャーロック・ホームズ―コナン・ドイル
松下研三―高木彬光
明智文代―江戸川乱歩
スコット・ヘンダーソン―ウィリアム・アイリッシュ『幻の女』
アリス―ウィリアム・アイリッシュ『消えた花嫁』
金田一耕助―横溝正史
三原紀一―松本清張『点と線』『時間の習俗』
黒後家蜘蛛の会―アイザック・アシモフ
サッカレイ・フィン―ジョン・スラデック『黒い霊気』『見えないグリーン』〔ほか〕

著者等紹介

有栖川有栖[アリスガワアリス]
1959年、大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。在学中は推理小説研究会に所属。89年『月光ゲーム』で作家デビュー。書店勤務を続けながらコンスタントに作品を発表し、94年から作家専業。2003年『マレー鉄道の謎』で日本推理作家協会賞。08年『女王の国城』で本格ミステリ大賞。2000年から本格ミステリ作家クラブ初代会長(05年まで)。07年から「有栖川有栖創作塾」(大阪市)塾長をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

198
有栖川有栖は、新作中心に読んでいる作家です。著者のミステリ愛&ミステリに関する博識が感じられるエッセイ。日経新聞連載ということもあり、かなり真面目な内容でした。オススメは『明智文代-江戸川乱歩』です。大路浩実の装幀・装画・挿画もGOOD!2017/06/25

Aya Murakami

159
アンソロジー作品、猫が見ていたの参加作家さんの作品として紹介された本。他館から取り寄せて読みました。 紹介されていた中では大誘拐が面白そうだった。肝っ玉ばあさんとちょっぴり哀れな人間臭い誘拐犯…、ミステリ要素以上にユーモア要素が楽しみです。 後は意外なキャラクター、イライジャベイリもSF作品ながら紹介されていました。鋼鉄都市は読み終わっているので今度は夜明けのロボットを取り寄せています。2019/01/28

藤月はな(灯れ松明の火)

113
ミステリ愛に溢れたミステリ国での戯れが堪らない短篇集。探偵だけでなく、記録者≒助手、犯人、被害者、脇役、悪党などなどが紹介されているのもユニークです。読んでいないミステリや関連書籍もあったので読んでみたい本がまた、増えて内心、悲鳴をあげつつも顔がほころんじゃいます。しかも巻末での図書紹介は図書館で手に入りやすい版元を記しているのが心憎い。明智文代さんについての考察は目から鱗で、ポリオジとジーヴスには笑い、エラリー・クイーンの初期での人物像への感想は頷くことしきり。2017/07/14

よむよむ

101
本書はミステリ作品内で活躍した53人の人をミステリ作家の有栖川有栖さんが紹介する作品だ。作家でありミステリ通の著者が選出したとあり、古今東西一癖も二癖もある人物が紹介されており、とても楽しい。人物は探偵役に限らず犯人や名もない脇役まで取り上げ、その文章も熱量を持ち色々な視点で書かれ、エッセイなのにワクワクが止まらない。ところが作品に少し触れこの先は読んでお確かめ下さいとお預けになるから余計に気になる。私は13人としか面識がなかったので読みたい本が大量に増えてしまったが、ミステリ好きには堪らない一冊だった。2017/07/07

yumiko

96
正直読むか読むまいかちょっと迷った。でも苑田岳葉の名前を見てしまってはね!ビビッときた人は同じ穴の連城ファン(♡ˊ艸ˋ)ホームズ、ルパン、金田一…ミステリ好きならずとも多くの人が知っているメジャーな名から、半七、フェル博士と通好みの名まで総勢52名。個人的には、前出の岳葉やテナント少佐、マーロウではなくアーチャーの名があるのが嬉しい。北村先生と有栖川さんのミステリエッセイは、いつもミステリへの真摯な愛情がギュッと詰まっている。それがミステリが好きでよかったあという充足感を読者にも与えてくれる気がする♪2017/07/25

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