内容説明
資源価格は21世紀に入って高騰し、我々の企業活動や消費活動にも大きな影響を与えるようになりました。本書では、その後の急落場面も含め、価格変動の真因に迫ります。新興国の需要が急増する一方で、すぐに増産できる体制になっていないため、需給が逼迫しました。投資マネーの流入や、資源ナショナリズムの高揚などがさらに事情を複雑にしました。今後の日本のとるべき戦略として、ロシアやアフリカとの提携の可能性や、総合商社の取り組みについて記述しました。20世紀型の成長モデルは終わりを迎え、低炭素社会の構築による持続可能な成長モデルが模索されており、今後の資源市場のあり方についても解説しています。
目次
1 なぜ今「資源」が注目されるのか(資源とは何か;高値不安定化する資源価格)
2 資源をとりまく環境―量的側面と価格側面(増え続ける新興市場国需要;追いつかない供給、「ピーク・オール資源」か;貿易量の変化―偏る供給者;国家政策;上流企業寡占化の実態;資源メジャーの戦略;資源ナショナリズム―その囲い込み;投機資金の流出入)
3 そして何が起こったか―翻弄される国・企業(高騰する鉄鉱石;動き出した中国企業;混乱する流通市場;開発現場の実態;資源会社の現状;余剰資金の商品市場への流入;資源国の経済発展;新技術(省エネ・環境技術)の開発促進)
4 日本への影響・関係―我々はどう対応したのか(日本における鉱物の特徴;資源メジャー・総合商社を通じた鉱物資源調達;日本が注目すべき国―ロシア・アフリカ;一次産品価格が与える物価への影響;脱石油から環境重視へ―二度の石油危機を経て;資源確保に向けた取り組み)
5 資源高騰はまだ続く?―今後の展望・対策(資源問題の今・昔;エネルギー消費の動向と今後の開発;投機資金の行方はどうなるか;理論価格の考え方;乱高下する資源価格;資源価格変動への対応)
著者等紹介
柴田明夫[シバタアキオ]
丸紅経済研究所所長。1976年東京大学農学部卒業後、丸紅に入社。鉄鋼第一本部、調査部などを経て、01年丸紅経済研究所主席研究員。06年から現職。農林水産省「食料・農業・農村政策審議会」、「国際食料問題研究会」、「資源経済委員会」等の委員を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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