出版社内容情報
「不確実性」が常態化してしまったこの世界で、新しい戦略が必要だ。
これまで信じられてきたポーターの「理論」はもう古い。
競争優位を確立した企業がその後、立ちゆかなくなるのはなぜか? それは競争優位が不動のものだと勘違いしているからだ。
どんなに成功を収めた企業でも常に「次」に備えなければいけないが、大企業や一度競争優位を獲得した企業ほど、そのベストなタイミング「転換点(Inflection Point=自社のビジネスの根本が変わる局面)」を見逃しがちである。
転換点とは、ここを過ぎてしまうとすべてが取り返しのつかないほど変わってしまうポイントを指している。
このタイミングを迎えているとき、組織のリーダーは次のようなことを感じるようになる。
■自分も含め従業員は、自社製品・サービスを買いたいと思わないし、実際買っていない。
■以前と同じレベル、あるいはそれ以上の投資をしているのに、見返りがないと感じる。
■顧客はより安価でシンプルなソリューションで“十分”だと考えていると思う。
■予想もしなかったところから競争が始まっていると感じる。
■顧客は自社の提供するものに対して、もはや興奮することはないだろう。
■自社が求めている人材から「働きたい会社」の上位に挙げられていないようだ。
■優秀な人材が何人か辞めていく。
■自社の株式はずっと過小評価されている。
■自社の技術者は、新しい技術が登場すれば仕事が変わってしまうだろうと予想している。
■ヘッドハンティングで人材が狙われているわけではなさそうだ。
■成長グラフが減速または反転している。
■この2年間で、市場に出て成功したイノベーションはほとんどない。
■福利厚生を削ったり、社員にリスクを課さざるをえない。
■経営陣が、ネガティブなニュースに聞く耳を持たない。
本書では、イノベーション研究で世界トップにランキングされる経営学者が、
「転換点」を迎えた成熟企業が取るべきアクションを詳らかにしていく。
内容説明
これは「変化」に対する最善・最高のアプローチ。世界最高峰の経営思想家による「仮説指向(ディスカバリー・ドリブン)計画法」の全プロセス。
目次
序 「創造的破壊の音」が近づいている
1 まるで雪が先端から溶け始めるように
2 「早期のアラート」を見逃さない
3 変化がもたらす「弱いシグナル」をとらえる
4 顧客は我慢してくれない
5 何が真実か―手早く学ぶ計画
6 「硬直した組織」を活性化させる方法
7 「小さなイノベーション」で制約を壊せ
8 「先見性」はリーダーの財産
著者等紹介
マグレイス,リタ[マグレイス,リタ] [McGrath,Rita Gunther]
コロンビア大学ビジネススクール教授。専門はイノベーションと戦略、特に「不確実性の高い環境下での成長戦略」について。世界の経営学のトップ思想家にランキングする「Thinkers50」の戦略部門1位に輝き、世界的企業に大きなインパクトを与える人物である
入山章栄[イリヤマアキエ]
早稲田大学ビジネススクール教授。専門は経営戦略論、国際経営論。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院にてPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーなどを経て、2019年より現職
大浦千鶴子[オオウラチズコ]
翻訳家。訳書に『マスター・オブ・スケール 世界を制したリーダーが初め手明かす事業拡大の最強ルール』(マガジンハウス)、『Dark Horse「好きなことだけで生きる人」が成功する時代』(三笠書房)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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