出版社内容情報
【ヒューゴー賞候補作】太陽系外縁で巨大構造物と遭遇した宇宙船テーセウスは、全く異質なエイリアンとの接触を試みる。「意識」の価値とは? 書下し解説=テッド・チャン
内容説明
太陽系外縁で巨大構造物と遭遇した宇宙船テーセウス。放射線が渦巻く苛酷な環境の中、クルーたちはエイリアンとの接触を試みるが、彼らは人類とはまったく異質な進化を遂げた存在だった。構造物内に侵入したクルーたちは、戦慄の真実に到達する。「意識」の価値とは?進化の次のステージとは?衝撃の展開を見せる、現代ハードSFの最高到達点。
著者等紹介
嶋田洋一[シマダヨウイチ]
1956年生まれ。静岡大学人文学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
39
アウタースペースを装ったインナースペース。最近はこの手のが少なくなったので、なんとなく嬉しかった。一応ファーストコンタクト的なものもあるが、それはそこまで意義あるものではないかも。参考文献で作者の補足がなされていたり、テッド・チャンの面白い解説があったりで、本編読み終わったあと楽しみが続く良書。2014/03/15
かわうそ
33
意識と知性に関する大ネタは、内容に関する賛否はともかくSF作品の核としては秀逸。ただし、理解が難しい部分も含め面白いかどうかはまた別問題で、こんなに長々書かなくても「中国語の部屋」ネタの短篇で書けるんじゃないだろうかとか思ってしまった。2015/08/31
sin
32
読んでいる途中で、意識の物語と意識しましたがそのとおりでした。やはり自分には作品に吸血鬼を登場させた作者の視点がわからない。その役割とするものは理解できるのですが、主題や主人公たちを鈍らせてしまったようで、わざわざ吸血鬼の必要があったのか?対応する異星人?の描写に伊藤計劃『ハーモニー』を連想いたしましたが、海外では作品自体のテーマが共通するとまで評されているとか?2013/12/08
miroku
25
知性に意識は必要か?論理的あるいは論議的SFというべきか・・・・・・。どうもカタルシスに欠ける作品だ。2015/01/02
JACK
16
◎ 太陽系外縁で宇宙船テーセウスは巨大な人工構造体ロールシャッハと遭遇した。その物体は人間とコミュニケーションを取るだけの知能を持つが、人類とは全く異なる存在だった。4人の人格を持つ者、脳の半分を失って機械で補った者、機械で強化した肉体を持つ兵士、そして吸血鬼といった特殊なクルーたちは、ロールシャッハ内で知的生命体らしき者と対峙する。知性とはなにか、意識とはなにかを描くハードSF。本編は難解であまり楽しめなかったが、参考文献とそれに付随する筆者による補足説明が素晴らしい。知的好奇心を満たしてくれます。2019/07/18