創元SF文庫
汝、コンピューターの夢―“八世界”全短編〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 397p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488673055
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

飛浩隆絶賛! 「ヴァーリイはいつも、最先端SFの〈すこし先〉を泳いでいる。涼しい顔をして。」──謎の超越知性により地球を追放された人類は、太陽系外縁で正体不明の通信ビームを発見。そこから得た科学技術を用い、水星から冥王星に至る〈八世界〉に進出して新たな文明を築く……性別変更や身体改造、記憶移植さえ自由な未来を舞台に、テクノロジーと戯れる人々の永遠の夏を天才作家が描く。シリーズ全短編集の第一巻。解説=山岸真

「ピクニック・オン・ニアサイド」
「逆行の夏」
「ブラックホール通過」
「鉢の底」
「カンザスの幽霊」
「汝、コンピューターの夢」
「歌えや踊れ」

内容説明

謎の超越知性の侵略により、人類は地球を追放された。だが生き残った人々は、太陽系外縁を貫く通信ビーム「へびつかい座ホットライン」から得た科学技術を活用し、太陽系各地の“八世界”に新たな文明を築く…。性別変更や身体改造、記憶の移植とコピー、惑星環境の改変すら自由な未来を描く天才作家の代表シリーズ。その既発表全短編を新訳&改訳で贈る。第1巻は7編収録。

著者等紹介

ヴァーリイ,ジョン[ヴァーリイ,ジョン] [Varley,John]
1947年テキサス州オースティン生まれ。74年に短編「ピクニック・オン・ニアサイド」で作家デビューし、たちまち高い評価と人気を獲得した。これまでにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞のトリプルクラウン2作、ヒューゴー賞とローカス賞のダブルクラウン1作、ほかにローカス賞7作(うち短編集部門4作)という受賞歴を持つ(日本の星雲賞も2回受賞)、70‐80年代を代表するアメリカSF作家の一人である

大野万紀[オオノマキ]
1953年生まれ。SF評論家・翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ざるこ

49
まず「地球は超越知性に侵略され、人類は太陽系各地に新たな文明を築いた」という前提があっての7短編。すごい。もう地球には存在してないんだなってなる読み心地。自由に性別を変え、肉体を改造、記憶を移植してほぼ不死の状態になるなど環境に適応しつつ人類は進化する。硬質なイメージを抱かせながら、それぞれの物語は人間味に溢れてる。現代の家族のあり方を皮肉ってるような「逆行の夏」宇宙で5億キロ離れた男女の騒動「ブラックホール通過」何度も殺されちゃうミステリ調「カンザスの幽霊」など、どれも発想が素晴らしい!全短編2も読む!2020/07/11

りー

42
ハヤカワSFの『逆行の夏』から続けて読む。出版社が違うとはいえこの短期間に「逆行の夏」が重複して収録されている短編集が2冊刊行されるのは解せないけれども、読み継いでゆくとジョン・ヴァーリイの世界とも呼べる<八世界>が頭の中に次第に展開されてゆき、読めば読むほど世界が広がり、同時に読み進めるのも簡単に、そして楽しくなってゆく。相変わらずの秀才っぷりで、本書に関しても大当たり!という一編こそないけれどもハズレのない良質な短編集に仕上がっている。続刊を楽しみにしたいシリーズ。2015/10/16

Small World

40
スミスの人類保管機構シリーズを読み終えたので、次はヴァーリィの「八世界」シリーズに挑戦してます。変容した人間の、ちょっといびつな恋愛やセックスなど、セクシュアルなイメージも多いのですが、ヴァーリィ作品とは相性がいいみたいで、どの作品も面白かったです。個人的には、クローンと記憶のレコーディングを扱った「カンザスの幽霊」が一番でした。あまり間を開けずに第二集を手に取りたいですね。2018/04/08

kinnov

37
想像の矢の射程の長さに驚く。70年代に放たれた著者の想いとイマジネーションは充分に現代にも鋭さと優しさを失わず、読者である私の胸に届いた。表題作のVRと意識の関係は今だからこそ尚更意味を深めているし、「歌えや踊れ」のフィジカルとメンタルの脈動と融合が織り成す音楽の豊かさは永遠に人の心に響き、美しさと隠微な快楽を感じさせる。一編いっぺんが、豊かな想像力とセクシャルで開放的な肉体の悦び、生の力強さに溢れ、作品に触れている時間が嬉しいものになっていた。SFの面白さと幅広さを改めて教えてくれる傑作短編集だ。2018/08/07

geshi

36
性転換が当たり前になり、肉体の取り換えができ、記憶の受け継ぎにより死が無くなる、1970年代の作品とは思えない先を行った考え方とイメージ。SF的アイデア主体ではなく物語の中に自然に溶け込ませ、人間がどう変わっていくのかを語る。再読の『逆光の夏』の輝いた季節のボーイ・ミーツ・ガールであり取り戻せない絶対的な時の経過を知る青春小説に着地する。『汝、コンピューターの夢』は仮想現実の負の面を描いた現代でも充分通じる先進性。人間は結局、自分の頭脳の中に閉じ込められている生物だと考てしまう。2016/08/13

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