内容説明
1860年、日本使節団の来航に沸き返るニューヨークで勃発した奇怪な連続殺人。〈ノアの方舟〉や〈燔祭に捧げられるイサク〉など、死者の傍に残される旧約聖書の切り抜きは何を意味するのか?サムライ使節団と殺人事件の関係は?アトランティック・レヴュー社の古株記者ダロウと挿絵画家フレーリが真相を追う。第58回日本推理作家協会賞を受賞した華麗な時代推理巨編、文庫化。
著者等紹介
戸松淳矩[トマツアツノリ]
1952年12月31日、京都生まれ。’75年、学習院大学文学部卒。’79年、『名探偵は千秋楽に謎を解く』でデビュー。長い沈黙を経て2004年、大作『剣と薔薇の夏』で劇的な復活を遂げ、同書により第58回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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geshi
28
1ページ当たりの文章量が多く、時代小説のように刻々とディティールまで書いているから、堅牢である代わりに読んでいて眠気も感じる。19世紀末のニューヨークそしてアメリカの情景や社会情勢が詰め込まれ、この時代を丸ごと読者の前に映している。ただし、章が変わるた度に同じように背景の描写が長々とはじまるから、せっかく殺人事件の謎でストーリーが盛り上がっても話の流れが切れてしまい、平坦になってしまっている。新聞記者と挿絵画家そして日本人の漂流民のキャラクターが面白味あるのに生かされていないなぁ。2017/11/16
みっつ
9
第58回日本推理作家協会賞受賞作。「名探偵は~」三部作から一転して重厚な雰囲気を感じさせる文体。まるでアメリカ人作家の翻訳作品を読んでいるかのように綿密に書き込まれた当時のニューヨークやアメリカの描写や社会情勢は圧巻。一切の手抜きなし。不可解な事件の話を忘れそうになった。語り手もアメリカ人中心で客観的な視点で日本人を照らしているのは中々に新鮮。まだまだ上巻では先が読めないが、歴史ミステリとしての面白さも加味した上での謎解きやクライマックスに期待しています。2010/08/19
月世界旅行したい
8
物語に時代背景に興味がある方は楽しめると思う。2015/03/07
いいちゃん
6
3分の2くらい読んだ所で断念。翻訳小説のような感じで時代描写、地理の描写が多くて辛い。早く解き明かして欲しいと思うような謎も出てこない。…この先出てきたのかもしれないけど、そこまで頑張れませんでした。2018/05/23
東森久利斗
0
ニューヨークの原点を垣間見た。2014/08/06
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