出版社内容情報
家庭では暮らせない子どもたちの養護施設「七海学園」で起きるささやかな事件――繊細な短編群が大きな物語を創り上げる、第18回鮎川哲也賞受賞作。
内容説明
家庭では暮らせない子どもたちの施設・七海学園で起きる、不可思議な事件の数々。行き止まりの階段から夏の幻のように消えた新入生、少女が六人揃うと“七人目”が囁く暗闇のトンネル…子どもたちが遭遇した奇妙な事件を解明すべく、保育士の北沢春菜は日々奮闘する。過去と現在を繋ぐ六つの謎、そして全てを結ぶ七つ目の謎に隠された驚くべき真実。第18回鮎川哲也賞受賞作。
著者等紹介
七河迦南[ナナカワカナン]
作家。東京都出身。早稲田大学卒業。2008年、『七つの海を照らす星』で第18回鮎川哲也賞を受賞。同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
196
七河迦南さん初読み。児童養護施設を舞台にした7つの奇妙な事件を保育士・春菜が解いてゆく連作短編集…とても新人とは思えない手練手管と瑞々しい文章で描かれた見事な青春ミステリになっていた。フェアに伏線を張った「日常の謎」を綺麗に謎解きしていて気持ち好い。どの話も良いが『夏期転住』が甘酸っぱくて好み。批判ではなく、あくまで印象として、優しい作風もミステリの巧みさも、そして最終章で全てを貫くどんでん返しも加納朋子さんの『ななつのこ』を思い出した。御紹介してくれた読友さんに感謝!しつつ、評判の高い次作も期待しよう♪2018/02/09
nobby
146
児童養護施設が舞台から想像したよりも、直面する謎は神秘的だったりファンタジーだったり、その解決の様子は温かい。勿論、その背景に抱える悪意や闇も描かれるが、割りかし軽めな補足のみ。苦手な短編だが、かなり細かな伏線回収もあり面白かった。何より最終話で明かされる仕掛けはお見事!そして『最大の伏線は本を開く前から』なるほど素晴らしい!個人的な好みは、やはり核となる「夏期転住」。2015/07/19
🐾Yoko Omoto🐾
144
第18回鮎川哲也賞受賞作。ラストで明らかになる作品全体に施された仕掛けや謎の着眼点などデビュー作とは思えないハイレベルな作品。児童養護施設「七海学園」を舞台に、「七不思議」として語り継がれる不可思議な謎と園児たちが抱える繊細で複雑な胸のうちが、過去と現在を往き来しながら不思議な繋がりをもって交錯する。この設定だからこそ成立したとも言える衝撃的な着地点の第二話「滅びの指輪」第四話「夏期転住」は秀逸。現在の養護施設事情などを交えながらもストーリーはあくまでも「ミステリー」に徹した仕上がり。読後感の良い秀作。2014/03/25
さばかん
142
これは凄い。 凄い小説だ。 なんとか賞受賞と聞くと、鬼才だとか奇才だとかいうものの内容を連想してしまうのだが、今作は、秀才だ。 とても巧く構成されている。そして面白い。 児童養護施設の現状についても、勉強させられる。 一人ひとりに物語がある。人生がある。 だから小説は面白い。 2018/02/05
aquamarine
112
児童養護施設「七海学園」に伝わる七不思議を、ひとつづつ紐解く連作ミステリ。一つ読むごとに、伏線の張り方と回収の見事さに驚きました。読みやすくとても美しいミステリです。児童養護施設の最近について知らないことも多く、制度の矛盾や理不尽さに心を抉られ、序盤はかなり読むのが辛かったのですが、謎解きに力を貸してくれる児童福祉士・海王さんがとても素敵で、読んでいる私自身にも癒しになりました。一番の好みは「滅びの指輪」。受賞作である一編「夏期転住」を中心に据え、こんな連作にまとめ上げてしまった著者の力量は凄いですね。2018/05/25
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