出版社内容情報
中断した脚本に込められたのは、「自分とは何か?」という史上最大の謎!? 弱小自主映画制作サークルは、無事に映画を完成できるのか? 『神様のパズル』の著者が贈る、青春エンタテイメント!
内容説明
子供のころからの映画好きが高じ、将来は映画監督になることを夢見る、浪人生の奈緒。彼女は映画制作について学ぶべく、地元の自主映画サークル「シネ・フィスト」に飛び込む。ところが、「シネ・フィスト」は今まで一度も作品を完成したことがない、想像を絶する弱小サークルだった!「哲学ミステリー」を作ることにして自主映画コンテストを目指すものの、「自分とは何か」というテーマにはつまずくわ、メンバー同士は衝突を繰り返すわ、さらには…果たして奈緒は、癖者ぞろいのメンバーとともに、映画を完成させられるのか?『神様のパズル』の著者が贈る、青春エンタテインメント!
著者等紹介
機本伸司[キモトシンジ]
1956年兵庫県生まれ。甲南大学卒。出版社、映像制作会社を経て、1993年よりフリーランスのPR映画ディレクターとなる。2002年、『神様のパズル』にて第3回小松左京賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
外道皇帝
9
芸大志望浪人の女子が浪人中に映画製作のサークルに入り、「自分とはなにか」をテーマに映画を作ることに。あんないきあたりばったりな監督に周りが振り回されっぱなしなのがちょっと理解出来ない。予算もスケジュールも考えないで作品の質のみを追求するのって単なるバカでしょ。自分で撮りたい作品なら結末くらい自分で示せよって思っちゃうよね。なんだかモヤモヤばかりが残った。2014/10/06
伝奇羊
7
予備知識なしで読み始めたのでミステリ?SF?と読んで行ったら普通の青春小説でした。未完のシナリオに哲学のメタファーが織り込んである所は謎解きのようで面白かったけど、紆余曲折はあったものの普通に終わってしまった感がある。2024/07/20
123456789wanko
7
あの機本伸司が映画作りの小説を!?と思いながら読み進めると、テーマは「自分とはなにか」。これは彼が一貫して追求しているもの。映画作りを舞台としたことで今までより議論は一段進んだ印象があります。いつか作者なりの「自分とはなにか」の答えを読みたいです。2014/09/26
れると
6
読みやすいけれど、単一視点、時系列、しかも淡々とした文体の物語は、飽きやすいし、飽きてからは読み進むのがけっこう辛い(涙)。哲学的な問い、個人的には「難しい」とか「わからない」とか「忙しい」とか、本当に考えようとしているのか疑ってしまって。うーん。(思えば、阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件が起こった1995年、『ソフィーの世界』という「哲学ファンタジー」が売れて(邦訳は6月刊行らしい)哲学ブームなるものがあったと記憶しているけれど、それ以来、20年近く「私とは何か」を考え続けている人は存在するのかも。)2014/10/03
fwhd8325
6
2段組340ページにも及ぶ長編なのだが、それだけの内容があるとは感じなかった。ガヤガヤと焦点の定まらないまま映画製作をスタートさせるのだが、その焦点の定まらない様子が苦行のように続く。確かに1本の映画を作るには並大抵ではない努力が必要なのだと理解はしているが、それをそのまま描いても読者としてはしんどい。後半は「メタファ」を多用して逃げているとしか思えない内容に何度も途中で止めようと思ったが、何かあるだろうと期待しながら読了。最終章だけは、この姿を描きたかったかなと思わせてくれた。2014/09/09
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