内容説明
児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、多忙な仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。そんな慌ただしい日々に、学園の少年少女が通う高校の文化祭の日に起きた、校舎屋上からの転落事件が影を落とす。警察の見解通り、これは単なる「不慮の事故」なのか?だが、この件に先立つ春から晩秋にかけて春菜が奔走した、学園の子どもたちに関わる四つの事件に、意外な真相に繋がる重要な手掛かりが隠されていた。鮎川哲也賞作家が描く、季節を彩る五つの謎。『七つの海を照らす星』に続く、清新な本格ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
239
初読。3500冊目の登録です。終盤の息をもつかせぬ展開が秀逸。そして前作よりも繊細さを増した文体で紡がれる、変わらぬ子ども達への愛情溢れる眼差しがとても良かった。2012/12/30
文庫フリーク@灯れ松明の火
214
映像化・メディアミックスなど著者の眼中に無いような凝りに凝ったミステリーの印象。ミスリードと解っていながら読むプロローグ。なのに読了後はぞくり、とする別の顔。二度読み必至、唸るしかない。ここまで凝ったミステリーと児童養護施設・子供たちがヘヴィでしんどい部分有るけれど、続編出たら読まざるを得ない。私も『春奈ちゃんと出逢ってしまったのだから』前作『七つの海を照らす星』よりおよそ2年。著者の羽ばたきと翔び立つ姿感じます。私もアルバトロス。翔べずとも見苦しいほど羽ばたきながら続編待ちましょう。2011/05/13
ダイ@2019.11.2~一時休止
193
七海学園その2。転落事故を含む4つの謎。最後は見事に騙された。2013/12/05
takaC
183
読み終えて気付かされる物語の構造を把握していないまま、「いったいどこから面白くなるのだろうか?」と、だらだら読んでいた自分が情けない。後から読み返してみたら、プロローグと冬の章Iまでの10ページ読んだだけで気付くべき話なのね。憖っか『七つの海を照らす星』から順番に読んだのがアダになったかも。国語の基本に忠実に、読書はしないといけないね。(笑)2011/02/12
七色一味
179
読破。化けました。そして、泣かされました。めったに思わないんですが、この一連のストーリーがここで終わるのは、私は納得できません。ミステリという以前に小説として、ミステリ要素がなかったとしても、私は強く、この続編を望むものです。 で、そのミステリ要素の話ですが。前作『七つの海を照らす星』とあわせて読んだほうがより、楽しめる作品です、という曖昧な表現に留めておきましょうか。前作と違うのは、今回は死人が出ます。主要登場人物ではありませんが(このくらいはいいでしょ?)。そして、犯人もちゃんと捕まります。(続く)2012/06/14
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- 和書
- 鷲尾須美は勇者である