内容説明
井上靖の記念すべき第一詩集の復刻。
感想・レビュー
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miyuki
1
11月21日中に。この詩集は不思議な冷たさをもっている。“冷たい”という表現が適切かはわからない。“冷静”の冷たさであろうか。詩の中身も、壮年故の過去への諦めを前に詠んでいるものが多く、ひんやりとした雰囲気を保った詩集である。題名ととても添っている。ほとんどは散文形式をとった短い文章であるが、そこには確かに嘘偽りのないポエジーがはびこっており、詩の原石といっても過言ではない。作者もあとがきで断っている。これは詩の覚え書きの様なもので、しかし少しでも心に触れる所があれば、それはやはり詩であるのだと。2014/11/21