出版社内容情報
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第一弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、SF全短編を年代順に収めた全4巻の決定版全集。第2巻には「闘技場」「ノック」などSF黄金期の傑作15編を収録。
内容説明
稀代の名手の短編を年代順に全四巻に集成した決定版全集。第2巻には「闘技場」「ノックの音が」ほか13編を収録。
著者等紹介
ブラウン,フレドリック[ブラウン,フレドリック] [Brown,Fredric]
1906年アメリカ生まれ。日本でも翻訳SFの黎明期からショートショートの名手として知られ、短編集『未来世界から来た男』は1963年に創元SF文庫の刊行第1弾ともなった。また、ミステリやファンタジイの分野でも幅広く活躍し、1947年刊行の『シカゴ・ブルース』でMWA最優秀第一長編賞を受賞している。1972年没
安原和見[ヤスハラカズミ]
1960年鹿児島県生まれ。翻訳家。東京大学文学部西洋史学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
40
正直に言うとあまり出来のよくないものや、「良くも悪くも昔のSF小説」という感想の域を出ない作品も多い。全集1から変わらず、サイエンス色が色濃くないものやミステリーなんかの方が今読んでも感心する作品が多いように思う。有名なタイトルがいくつか入っている割には全集1の方が面白かったような気もする。「やさしい殺人講座全十回」「ノックの音が」「最終列車」くらいかな。もちろん「闘技場」も興味深く読んだが宇宙大作戦のイメージが強すぎて比較の読書になってしまった。デスゲームものの走りと考えて読むのも面白いかも?2020/01/10
たまご
25
昨年からの宿題の1冊. やっぱりおしゃれなブラウン.でもこの年代は,少し不安な要素も見え隠れする作品が多くなっているように思いました.不穏な世界の始まりを切り取ったような.最後が「最終列車」なあたりとかもね….2021/01/02
マッピー
21
訳文にそれほど違和感を抱かないのに、タイトルの変更がとにかく気になってしまう。「ウェイヴァリー」はダメよ。 確かにWaveriesを発音通りに書くとそうなるのかもしれないけれど、ここは「ウァヴェリ地球を征服す」よりもっと古い「電獣ヴァヴェリ」が断然良い。若い頃にはピンと来なかったけど、今の時代にこそ読まれてほしい作品。新しいタイトルがよかったのは「報復の艦隊」。これこそSFのとある分野の金字塔と言ってもいい作品だと思っていますが、ネタバレになるので内容の書きようがないのがもどかしい。2021/06/02
Susumu Kobayashi
10
全15編収録。表題作や有名な「ノックの音が」はいかにもこの作者らしい、ユーモアの感じられる作品。その他、ユニークなガジェットをめぐる「ユーディの原理」、一人の男が全人類の運命を託されて異星人と闘う「闘技場」、SFというよりミステリの「一九九九年の危機」、短いゆえにオチは見えてしまうが「報復の艦隊」などもいい。スケールの大きな「夜空は大混乱」がとりわけ気に入った。長めの「さあ、気ちがいになりなさい」は、意外にもシリアスな作品(だよね?)。2020/05/21
新天地
9
まず表題作が好き。いろいろな動物の体を借りて会話する”ベム”がちょっとシュールで可愛らしくて面白かった。「闘技場」は先の展開がどうなるのか全く分からずハラハラして読んだ。それから目次だけでは、「ウェイヴァリー」が「電獣ヴァヴェリ」の事だとはわからなかった。これがまた余韻嫋々な雰囲気で好きな話。他「狂った惑星プラセット」がそのメチャクチャぶりが面白く、また「ねずみ」や「報復の艦隊」は古典的な話だけど読みごたえがあった。次の第3巻にも期待。2020/03/26