内容説明
本書は著者のインド・ネパール仏蹟の巡礼記録である。しかし、単なる旅行記ではない。著者は曹洞宗学、特に道元、瑩山両禅師の思想と生涯に詳しい宗学者である。両禅師とも正伝の仏法はインドの釈尊から脈々と受け継がれていることを疑っていないし、今日の学問研究から言ってもそれは正しい。著者は宗学からさかのぼってついに釈尊に至り、釈尊を思慕し、「求道の旅」としてインド仏蹟巡拝に出かけられた。四大仏蹟を中心として旅しながら、博士は執拗なまでに釈尊にかかわる土地、事蹟、年代、遺品、遺跡、歴史、伝承等を調べ、そして両禅師の語録から釈尊の生涯、事蹟、仏蹟に関するすべての記述をあらためて検討される(博士自らの現代語訳が付されている)。その結果、博士は道元禅師の目指した「仏祖正伝の法」は釈尊につながっていることを自らに確認される。本書は、そうした事をふまえた記録である。
目次
第1章 「仏生迦毘羅」
第2章 「成道摩掲陀」
第3章 「説法波羅奈」
第4章 「入滅拘〓羅」
第5章 ギッジャ・クータ(霊鷲山)の朝
第6章 ナーランダー大学遺跡とナーランダー考古学博物館
第7章 インドと道元禅師