出版社内容情報
三人組の住む花山町を大地震が! それぞれが危機を脱出し、避難所で再会する。大震災の中で活躍する三人組の心と行動を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
45
刊行の3年前に起きた阪神・淡路大震災がモデルのシリーズ37作目。 ほんとに児童文学かと思えるほど生々しい描写。 本震に加えて余震が続くことや、その前の前兆の幾つかの描写。 そして避難場所や、ライフラインの確立。 疑似体験に等しい状況を、子供でも分かりやすく描いている。 だからこれをリアルで読んだ小学生が311の時にどう対応したのかを知りたくなる。 自然と誰かの助けをしようとする姿勢はやっぱり人間の良いとこだし、この教訓が311。 そしていつかまた来るであろう大地震の備えになれば。2021/06/02
なおなお
3
ミドリ市が大地震に見舞われる。三人組それぞれの地震が起きた時の混乱、避難所での生活、学校再開しての避難所との関係…など、かなりリアルに描かれている。三人組なかで一番大変な目にあったのはハチベエだが、彼が一番明るく、素早く八百屋を始めたのはさすがだなと思った。それに釣られてハカセやモーちゃん達も行動に起こすのはよかった。日が経つに連れ、被災者間でも争いが起こるなど、震災の影の部分も描かれており、大震災について知るいい児童書だと思う。2019/11/22
こめこま🌾
3
震度7の大地震、作者のあとがきで近い将来日本で大地震が起きるので、そういう事も想定して書いたとおっしゃっていたのがとても印象的です。 私は小学生の時に東日本大震災を実際に体験しましたが、今もあの地面が大きく揺れる感覚は忘れられません。 この作品も、3人に感情移入して読むことができました。 辛い震災をも乗り越えて逞しく成長していく3人には、大変感銘を受けました。2018/08/12
ダイアナ
3
ミドリ市を突如襲った大地震。いつになく兄として妹を気遣うハカセ、怪我をした父親を助けに躊躇せず崩れた家に飛び込むハチベエ、動けなくなったおばあちゃんを率先して助けにいったモーちゃん。三人の優しさ、思いやりが随所に溢れた作品。地震はいつくるかわからない。改めて日頃の備えを万全にしようと思いました。2018/02/11
菱沼
2
「いつか起こるかもしれない大震災のために」と後書きで那須先生が書いたのは1998年のこと。2011年3月11日、台所のテーブルの下から食器が落ちていくのをなすすべもなく見ていたときのことを思い出す。2014/09/23
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