カールの降誕祭(クリスマス)

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カールの降誕祭(クリスマス)

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  • サイズ B6判/ページ数 93p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784488010508
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

ドイツでは、クリスマスに最も殺人が多い。十世紀から続く貴族トーアベルク家のクリスマスの惨劇を描いた表題作と、日本人の女子留学生に恋をしたパン職人の物語「パン屋の主人」、公明正大だった裁判官の退職後の数奇な運命を描く「ザイボルト」を収録。本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』のシーラッハによる珠玉の短編を、気鋭の版画家タダジュンの謎めいたイラストが彩る。ふたりの天才が贈るブラックなクリスマス・プレゼント。

内容説明

日本人女性に恋をしたパン職人が、“まともなパン屋”でなくなってしまった理由とは(「パン屋の主人」)。規律を守り、公明正大だった裁判官に退職後おとずれた、すさまじく数奇な人生の結末(「ザイボルト」)。十世紀から続く貴族トーアベルク家。クリスマスの帰省中に息子が起こした哀しい惨劇(「カールの降誕祭」)

著者等紹介

シーラッハ,フェルディナント・フォン[シーラッハ,フェルディナントフォン] [Schirach,Ferdinand von]
作家、弁護士。1964年ドイツ、ミュンヘン生まれ。ナチ党全国青少年最高指導者バルドゥール・フォン・シーラッハの孫。1994年からベルリンで刑事事件弁護士として活躍する。デビュー作である『犯罪』(2009)が本国でクライスト賞、日本で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞した

酒寄進一[サカヨリシンイチ]
1958年生まれ。ドイツ文学翻訳家。上智大学、ケルン大学、ミュンスター大学に学び、新潟大学講師を経て和光大学教授

タダジュン[タダジュン]
1971年生まれ。イラストレーター。セツ・モードセミナー卒業。版画の技法を使い、書籍の装画や、雑誌のイラストレーションを中心に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

461
シーラッハから読者へのクリスマスプレゼント。ただし、なんともブラックなプレゼントだ。表題作を含めて3つの短篇からなるが、いずれもドイツの底冷えのするような冬の寒さを湛えたものばかり。共通するのは、人間の深層心理に潜む狂気だろうか。なんともビターな味わいの小説群である。シーラッハの本領発揮といったところか。翻訳はお馴染みの酒寄進一。タダジュンの挿絵は表紙も含めて、まさにこの作品集にピッタリだ。シーラッハのファンはもちろん、ブラックな味わいの小説を好む人、あるいはこの機会にシーラッハをという人に推薦!2017/12/20

starbro

209
日本でクリスマスは明るく楽しいイメージですが、ドイツでは会いたくない家族に会うことも多いため、殺人事件が頻発するとのことです。いずれにしてもクリスマスに本書を読むことはオススメしません。短編ながらフェルディナント・フォン・シーラッハの暗澹たる世界が展開して行きます。タダジュン(日本人とは思えない)のイラストも絶妙で、独特の世界観を醸し出しています。2015/12/05

紅はこべ

187
薄さにまずびっくり。絵本のような造りなのに、内容は凄まじい。「ザイボルト」なんて、身につまされる人が多そうだ。「カールの降誕祭」は毒親ものか。毒親テーマって、全世界的流行テーマなのか?2016/01/10

青蓮

151
シーラッハの短編集。「パン屋の主人」「ザイボルト」「カールの降誕祭」収録。とても短いので、空き時間にさっと読めます。大人の絵本と言う感じ。淡々とした語り口が良いですね。タダジュンさんの挿絵が醸し出す不気味な雰囲気が作品とマッチしていて、読んでて楽しかったです。2016/01/06

さと

140
2015年 特筆すべき作家となった。淡々とした語りが、誰にでも心の奥に隠し持つ悲しみや諦念、孤独や狂気をあぶりだしてくれる。読む というより 感じる作品。惹きこまれる という感覚を味わってほしい。 タダジュンさんの版画も 心の闇を彫り出しているかのよう。2015/12/24

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