出版社内容情報
「自由と理性の間の二律背反を解消することが道徳哲学の課題であり、本書の課題である」。私たちは、自分で自分の行動を決める自由を持つと考える一方で、その判断は自分勝手ではなく、理性的でなければならないとも考える。本書では、道徳判断の主要な性格を「指図性」と「普遍化可能性」ととらえることによって、その規範的な効果を示し、道徳について生産的な議論への道をひらく。また、論証の実践例として人種差別問題――なぜ人種の違いを根拠として人間の取り扱いに違いがあってはならないのか――を取り上げ、理論の射程を示す。実践的で多元的な倫理学の構想。解説 佐藤岳詩
内容説明
「自由と理性の間の二律背反を解消することが道徳哲学の課題であり、本書の課題である」。私たちは、自分で自分の行動を決める自由を持つと考える一方で、その判断は自分勝手ではなく、理性的でなければならないとも考える。本書では、道徳判断の主要な性格を「指図性」と「普遍化可能性」ととらえることによって、その規範的な効果を示し、道徳について生産的な議論への道をひらく。また、論証の実践例として人種差別問題―なぜ人種の違いを根拠として人間の取り扱いに違いがあってはならないのか―を取り上げ、理論の射程を示す。実践的で多元的な倫理学の構想。
目次
第一部 記述することと指図すること(序説;記述的意味;諸原則;「すべきである」と「することができる」;道徳における後退)
第二部 道徳的論証(ある道徳的議論;功利主義;理想;寛容と狂信)
第三部 理論から実践へ(論理と道徳;実践的な例)
著者等紹介
ヘア,R.M.[ヘア,R.M.] [Hare,Richard Mervyn]
1919‐2002年。オックスフォード大学、フロリダ大学で教鞭を執る。倫理学者。生命倫理学や環境倫理学、教育哲学などの応用倫理学、メタ倫理学に大きく貢献した
村上弥生[ムラカミヤヨイ]
1961年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。法政大学、東京外国語大学、学習院大学兼任講師。倫理学、英米思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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