出版社内容情報
まるで詩で小説を書くような煌めく比喩で綴られる文章で昭和初期に注目を集めた〈新感覚派〉の作品群を小山力也の編集、解説で送るアンソロジー。
内容説明
一瞬の燃焼、モダニズムの煌めき―まるで「詩」で「小説」を書くように、煌めく比喩表現で綴られる文章で、昭和初期に注目された(新感覚派)と、そこへ接近した作品群を集めた作品集。(新感覚派)の隆盛が、プロレタリア文学の機運に圧される様を俯瞰し、大正から昭和初期という時代の、震災と復興、急速な発展と同時に乱れて行く都会の熱狂と雑音、猥雑さを切り取る。編者による各作品解説も収録。
著者等紹介
小山力也[コヤマリキヤ]
1967年神奈川県生まれ。古書や古書店に関する著述、編集業で活躍する。全国の古書店を探訪調査する古本屋ツーリストとしてブログ「古本屋ツアー・イン・ジャパン」も運営。また、乾坤グラフィックの名義で装丁などを手掛けるデザイナーとしても活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
64
大正末期、流星のように一瞬の光を残した文学運動があった。本書はその新感覚派の代表的な作品をまとめた一冊。読んでいると小説の内容よりも、文体のスタイルの方を重視しているように感じるなあ。様々な前衛を経た現在の目から見ても、その実験的なスタイルは面白いものが多いけれども。あと収録されている作家の面々も興味深い。横光利一やタルホはその分野の旗手だったので収録されているのはわかるけど、堀辰雄も含まれるんだ。後期の瀟洒な作品からは想像もつかないけど。あと川端康成の「狂った一頁」、映像もだけど原作も薄気味悪いなあ。2023/06/17
chie
14
新感覚派+新興藝術派+αのアンソロジー。一口に新感覚派と言っても、それぞれに個性があって、展覧会の様なアンソロジーだった。(どんなアンソロジーでも、そうなのかもしれないけれど。)解説より、新感覚派が誕生したのは、1924年頃だというから、今は丁度100年後というのが感慨深い。今から100年後に、今の時代を写し取った文学というのは、どんな風に残されるのだろうか、気になってくる。2024/02/08
狐
1
濃かった2024/08/13
あ
0
大正期の新感覚派とかプロレタリア文学って「未来的で冷酷な首都東京」みたいなイメージを共有してて、これをベースにした大正レトロフューチャーSF行けるんじゃないかみたいなことを思った2023/09/12
Ta283
0
モダニズム文学です2023/09/22