文春新書<br> 尾崎翠

文春新書
尾崎翠

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784166600168
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

いつか彼女のことを書きたかった─36才で病により文壇を離れ、恋人を残し、故郷に帰ることを余儀なくされた作家・尾崎翠への想い

内容説明

まわりと同じ、それでどこかほっとする。まがいものの美しさで手をうつ。そんなの、いつか消えてしまうと分かってもいるのに。自分の物差しをもつこと。そして、生き方のスタイルを確立し、つらぬくこと。憧れてはいてもけっこう難しい。ところがそれを昭和の初めにやってのけた作家がいた。尾崎翠。派手な活躍はしなかったけれど、自分にとっての「ほんもの」を求めつづけた姿勢は仕事にちゃんと残っている。彼女の小説は、いま読んでも新しい。これからもずっと古びない。

目次

第1章 翠と私
第2章 作家を志す
第3章 友情と恋
第4章 書くこと、書き続けること
第5章 熱情

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

66
愛情ある楽しい小説『かもめ食堂』などで知られている群ようこさんによる尾崎翠の(才能がありながら不運とも言える)人生を彼女の作品とともに紹介した本。群さんも言っているように『第七官界彷徨』は素敵だ!2017/05/13

tomi

27
昭和初期に活動し、近年になって再評価された作家・尾崎翠の評伝。翠を初めて知ったのは「ちくま文学の森」に収録された「初恋」。後に「ちくま日本文学全集」でも読んだ。作家を目指して上京したものの、なかなか芽が出ない。鎮痛剤の飲み過ぎで精神的に不安定になりながら執筆を続け、その時期に代表作「第七官界彷徨」などの傑作を生む。しかし症状の悪化で故郷へ戻され、戦後は一部で再評価の機運が高まっても断筆を通した。晩年は平穏な生活を送っていたようだが、生活や精神的の不安定さが繊細な作品を生んだのかもしれない。2026/04/18

吾亦紅

27
著者の群ようこさんだけでなく、角田光代さんも心酔し、同時代の林芙美子や太宰治らもその才能を絶賛していた作家「尾崎翠」。『第7官界彷徨』も他の作品も未読だがその名前を近年よく耳にする。東京での短い作家生活から身を剥がされるように郷里の鳥取へ帰るその道中で、列車から飛び降りようとしたという。その後長い長い余生の間、結局もう作品を残すことはなかった。が、最後まで東京への心を残していた。彼女の作品の何がどう凄いのか、未読ではわからない。読む。2023/01/20

みつ

25
尾崎翠の『第七官界彷徨』に衝撃を受けた著者の一冊。「すべてが・・気に入っているわけではない。」としつつ、たった一曲があれば「来てよかった」と思えるコンサートに擬えて「自分の好きな歌ではなくても、・・人が創り出すもののすごさを知ったということが、忘れられない感覚となる」(p10)と言う。ここから筆者は、尾崎翠作品の多くの引用とともに生涯を辿っていく。ただ、この記述方法だと尾崎作品の魅力は伝わりにくいのではないか。労作であるが、作品に驚いた自分としては、『彷徨』等の名作に、さらに焦点を当てて欲しかった、とも。2022/09/10

yn1951jp

24
尾崎翠の作品の中に翠自身の姿を追う。特有の美意識、嗅覚触覚感覚と緻密に設計図を描くような構成、空想好きな少女性と竹を割ったような男性気質、銀幕上のキャラクターへの憧れ、分裂症状の発現とミグレニンへの依存、刺激の多い東京の生活への憧れと鳥取での平穏な生活。浜野佐知の映画「第七官界彷徨 尾崎翠を探して」(1999)では、白石加代子が翠を好演している。群は「樋口一葉に奇蹟の一年があるように翠が幻覚と戦いながら書いた一年も作品にとっては最高の一年だった。」「日本の小説は『第七官界彷徨』一作でいい」という。2014/09/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/491882
  • ご注意事項

最近チェックした商品