出版社内容情報
西行、兼好、芭蕉等代表的古典の中に、「死」の先達たちの生き方を辿り、現代に生きる私たちの問題として考える。日本人の心性の基層。解説 島内裕子
立川 昭二[タチカワ ショウジ]
著・文・その他
内容説明
日本人は生きることと死ぬことをどのように考えてきたのだろうか。長明、芭蕉、千代女、馬琴、良寛など代表的な古典の中に日本人の死生観を辿り、「死」を前提に生き方を考え、「死」の意味をあらためて見つめなおす。日本人の心性の基層に今日も生きている伝統的な死生観を現代に生きる私たち自身の問題として考える指針の書。「死」の偉大な先達から「終い方」の極意を学んでみたい。
目次
花のしたにて―西行
憂へ悲しむ―鴨長明
たゞ今の一念―吉田兼好
旅を栖とす―松尾芭蕉
老いの楽しみ―井原西鶴
魂離れぬ―近松門左衛門
気をめぐらす―貝原益軒
足るを知る―神沢杜口
闇はながれて―千代女
あなた任せ―小林一茶
天地に耽る―滝沢馬琴
時をし待たむ―良寛
著者等紹介
立川昭二[タツカワショウジ]
1927‐2017。東京生まれ。早稲田大学文学部史学科卒業。1966‐97年、北里大学教授。後に同大学名誉教授。主に文化史、生活史の視座から病気、医療、死を考察した。1980年『死の風景』でサントリー学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白としろ
2
西行の死生観は、あえていえば死の美学である。平たくいえば「美しく死ぬ」という想いである。 方丈記に見られるのは、この悲哀感を通奏低音とした感傷的で抒情的な日本人の無常観なのである。 来世の救済にたよらず、現世を肯定し今という瞬間を生きること、死という臨界点から人生を見ることを説いている(徒然草)。 人生を川と見た鴨長明は、それでも栖にこだわっていた。人生を旅とする芭蕉は、、、現実の栖を捨てた。 2024/09/06
今Chan
1
疲れた。「死」を考えるには、まだ早すぎたのかもしれない。2018/10/22