出版社内容情報
内容は後日登録
内容説明
音楽を中心に、現代芸術に多大な影響を与え続けるブーレーズ。現代音楽作曲家として確固たる地位を築き、ウィーンフィル、ベルリンフィルなど世界的オーケストラと数々の名演を残してきた。また優れた洞察力を発揮した論文にも定評がある。本書は、長年ブーレーズの著作を翻訳してきた訳者によるオリジナル編集。刺激的な発言が物議を醸した「シェーンベルクは死んだ」、名曲『春の祭典』の解釈に一石を投じた「ストラヴィンスキーは生きている」、論争相手のケージに送った最後の「手紙」、その他バッハ、ベートーヴェンなど、古今の名作曲家たちを鋭く考察した14編を収録。
目次
J.S.バッハ
L.v.ベートーヴェン
H.ベルリオーズ
R.ヴァーグナー
G.マーラー
C.ドビュッシー
A.ヴェーベルン
A.シェーンベルク
I.ストラヴィンスキー
A.ベルク
J.ケージ
著者等紹介
ブーレーズ,ピエール[ブーレーズ,ピエール][Boulez,Pierre]
1925年生まれ。フランスを代表する作曲家・指揮者。世界各地のオーケストラと数々の名演を残し、フランス国立音響音楽研究所IRCAMを創設し、初代所長を務めるなど、現代音楽へ多大な貢献をしている。優れた論考も数々発表
笠羽映子[カサバエイコ]
東京藝術大学卒。音楽学博士(パリ第4大学)。早稲田大学社会科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハエドリ
3
①春の祭典の考察が詳しく、曲の構造がある程度はつかめた。とてもいい収穫。 ②新ウィーン楽派の批評が尖っていてとてもおもしろかった。シェーンベルクは12音技法を発見しておきながら安易な古典への適用をしただけで12音技法そのものの可能性を試さなかった、と猛烈に批判。その逆のウェーベルンの評価は高い。まだ自分の実感が伴っていないので、聴き比べをしたいところ。 ③他の人たちの章(マーラー、ワーグナー等)は自分が疎いせいかあまりぴんとこなかった。残念。2018/07/30
ひばりん
2
しばしば音楽批評的な紋切り型として、現代音楽のスタートをシェーンベルクによる非調性の音楽におくのを目にするが、本書を読めばかならず再考を迫られるだろう。本書におけるブーレーズは、シェーンベルクに対してきわめて低い評価を与え、ストラヴィンスキーによるリズムの再発見を高く価値づける。・・・なるほど、いまもって多くの現代音楽家が、ストラヴィンスキーをリスペクトし、シェーンベルクはむしろロマン派や古典派のプレイヤーからの尊敬されているように思うのは思い過ごしだろうか。現代音楽の基礎知識的な一冊としても。
ゴータマ・シッダッタった
1
ブーレーズの持論が作曲家ごとにアラカルト形式で堪能できる。ハイソなレトリックなど読みにくいが、ブーレーズの(特に若い頃の)才気あふれる文体は癖になる。彼は年令を重ねるごとにその視点を変化させているのだが、本書は編集の都合上収録された論考が時系列順になっていないので、語調の齟齬に違和感を覚えるかも。また、ある程度背景知識がないと簡単に誤読してしまう。2011/04/30
bittersweet symphony
0
ストラヴィンスキーについては「春の祭典」の構造についての詳細な分析がかなりのボリュームで入っていて一人扱いが違いますが、この分析は作曲技法に資するものでも、おそらく指揮の作法に資するものでもなく、曲の構造に対する解析の手際を自賛する思惑が一番出ている印象。 全体のトーンは回りくどい修辞の利いた文章で、修辞をばっさり切り落としていくと言っていることはごくシンプルな内容(各作曲家の古典主義なりロマン派なり12音音楽なりへの距離感の再定義)である、ということになります。2014/09/26
pintarou
0
内容以前に、翻訳が悪すぎないか。なにを言ってるのかさっぱり。。結局、中座。2012/04/11