「辺境」からはじまる―東京/東北論

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「辺境」からはじまる―東京/東北論

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  • サイズ B6判/ページ数 356p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750335889
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0036

内容説明

米、鉄、人材、電力…これまで東北は、東京の欲望を叶える工場であり続けてきた。それは実際、東北に何をもたらしたのか。また3・11により、そうしたシステムの限界が露呈したとするなら、「辺境」たる東北はどこに展望を見出すべきか。徹底的に考える。

目次

1 東京/東北の過去と現在(東京の震災論/東北の震災論―福島第一原発事故をめぐって;全村避難を余儀なくされた村に「生きる」時間と風景の盛衰;再帰する優生思想;「災間」の思考―繰り返す3・11の日付のために;「大きなまちづくり」の後で―釜石の「復興」に向けて;核燃・原子力論の周辺から描く東京/青森/六ケ所;多様な生業戦略のひとつとしての再生可能エネルギーの可能性―岩手県葛巻町の取り組みを手がかりに;「飢餓」をめぐる東京/東北)
2 東京/東北の未来へ―赤坂憲雄×小熊英二対談

著者等紹介

赤坂憲雄[アカサカノリオ]
東北芸術工科大学東北文化センター所長を経て、2011年4月より学習院大学教授。福島県立博物館長、遠野文化研究センター所長も務める。著書に『岡本太郎の見た日本』(岩波書店、2007、ドゥマゴ賞ほか)など

小熊英二[オグマエイジ]
1987年、東京大学農学部卒業。出版社勤務を経て、1998年、東京大学教養学部総合文化研究科国際社会科学専攻大学院博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教授。著書に『1968』(新曜社、2009、角川財団学芸賞)、『「民主」と「愛国」』(新曜社、2002、大佛次郎論壇賞ほか)、『単一民族神話の起源』(新曜社、1995、サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

18
読書家各氏のコメントも重厚な内容。東京というシステムが、どうもきわめて危うい基盤の上にある(35頁山下先生)。山下先生の37頁にあるご指摘は、農山村研究上、東京一極集中が大きな問題だと痛いほどわかる。佐藤先生は、中山間の補助金から外れる世帯を含めての集落の豊かさを享受してもらいたいという、飯館村の60代男性のコメントを紹介された(64頁)。むらづくりに成果を上げていた飯館村が北西方向の高濃度被害を受けたのは風向きを恨むしかないのか。仁平先生が、この国の先送り癖である、「厄災の先延ばし」(124頁)を批判。2014/01/28

たばかる

17
中央に対し常に劣勢に晒されてきた東北。しかしさすが社会学者たち、このわかりやすい勢力構図だけでは完結させない。山下は第1章で原発に類似する構図が東京内部にも存在する、として数多の制度を取り上げる。概念としては生権力を挙げるのが適切だろう。善意も悪意ともいえぬ力で様々なものが変わっていってしまった。2023/10/24

かんがく

14
東日本大震災の1年後の出版。近現代日本が東北を、米、労働力、電力などの供給地として国内植民地化してきたこと、そして中央の東京に住む人々がそのことに無自覚であったことに対する怒りが感じられた。現在常識とされていることの多くは60〜80年代に定着した一時的な現象に過ぎない。2023/05/21

ハチアカデミー

14
関東に住む人間には見えていない/見ようとしていないものが、東北からのまなざしによって明らかにされる。そして、地方から見た日本の近現代、中央/地方の関係史が各論で取り上げられている。編者として名前の挙げられている赤坂憲雄、小熊英二の両名は巻末の対談(各論の補足と解説レベル)が掲載されているのみだが、目を開かされる論考が所収されている。原発事故を現代日本のある種の典型として見る山下祐介氏、次にくる震災までの「災間」と現在を位置づける仁平典宏氏、食を中心に日本の現在形成過程を辿る山内明美氏の論が特に印象深い。2012/08/17

なおこっか

5
震災一年後の時点での、東北に何某かの縁ある研究者たちによる、報告と提言。議題は放射能汚染とその負担、原発立地自治体の経緯、エネルギー問題、地域内と自治体の問題、牧畜などの産業…と実に様々。飯館、六ケ所など自治体の方策も様々。しかしこれらの論説を、一般化、平均化し、マス視点で簡単に理解しようとしては駄目なのだ。被害も、判断も、感性も、個々人で違うのだ。一律に大雑把に、東京的に考えてはいけない。今は“災害後”ではなく、“災間”である、いずれまた起こるだろう災禍に備え、心せねばならない。2023/03/16

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