出版社内容情報
穢れを表し、死の象徴だった「血」が、なぜ江戸時代に家族のつながりを表すようになったのか。古代から近代まで、日本人の「血」へのまなざしの変遷をたどる。
内容説明
古くは、日本社会は強い血族の結束を志向していなかった。「血縁」「血統」などの言葉は江戸時代の新語であり、それ以前には「血」は世代間で受け継ぐものではなく、もっぱら穢れを表す、死の象徴だった。それがなぜ江戸時代に「血」が家族のつながりを表すようになったのか。古代、中世から日本人の「血」へのまなざしの変遷をたどり、近世における宣教師の影響や、近松門左衛門の浄瑠璃における「血」という語の「発明」などに注目。日本人の生命観の変転をみる、新しい思想史の試み。
目次
第1章 古代(血をめぐる東西;不浄観と家社会;今昔物語集の奇談)
第2章 中世(義経記の人間模様;信心と逆転劇;仏教思想と血脈;神道思想の系譜)
第3章 近世前期(儒者から儒者へ;西鶴文学の妙味;近松文学の造語;元禄期の国際交流;仏教諸派と儒家神道)
第4章 近世後期(血塗られた文学;武家の養子問題;仏教語の読み替え;国学と復古神道;蘭方医と産科医)
第5章 近代(成句と造語;西洋医学の最考端;政策としての国際結婚;法律上の親子関係)
著者等紹介
西田知己[ニシダトモミ]
1962年生まれ。日本史学者。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得退学。江戸文化を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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