ちくま新書<br> 血の日本思想史―穢れから生命力の象徴へ

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ちくま新書
血の日本思想史―穢れから生命力の象徴へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 304p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480073846
  • NDC分類 121.02
  • Cコード C0221

出版社内容情報

穢れを表し、死の象徴だった「血」が、なぜ江戸時代に家族のつながりを表すようになったのか。古代から近代まで、日本人の「血」へのまなざしの変遷をたどる。

内容説明

古くは、日本社会は強い血族の結束を志向していなかった。「血縁」「血統」などの言葉は江戸時代の新語であり、それ以前には「血」は世代間で受け継ぐものではなく、もっぱら穢れを表す、死の象徴だった。それがなぜ江戸時代に「血」が家族のつながりを表すようになったのか。古代、中世から日本人の「血」へのまなざしの変遷をたどり、近世における宣教師の影響や、近松門左衛門の浄瑠璃における「血」という語の「発明」などに注目。日本人の生命観の変転をみる、新しい思想史の試み。

目次

第1章 古代(血をめぐる東西;不浄観と家社会;今昔物語集の奇談)
第2章 中世(義経記の人間模様;信心と逆転劇;仏教思想と血脈;神道思想の系譜)
第3章 近世前期(儒者から儒者へ;西鶴文学の妙味;近松文学の造語;元禄期の国際交流;仏教諸派と儒家神道)
第4章 近世後期(血塗られた文学;武家の養子問題;仏教語の読み替え;国学と復古神道;蘭方医と産科医)
第5章 近代(成句と造語;西洋医学の最考端;政策としての国際結婚;法律上の親子関係)

著者等紹介

西田知己[ニシダトモミ]
1962年生まれ。日本史学者。上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程単位取得退学。江戸文化を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

59
血という視点から日本の思想史に切り込んだ本は初めてだろう。血を穢れたものとする考え方が古来から浸透していた話はよく聞くが、血を「生命をつなぐもの」と考えねば日本人が世襲を容認するはずがない。血が死から生の象徴へと真逆の転換を遂げたのかを宗教や学問、文学の変遷を辿りながら日本人の意識変革プロセスを探る試みが面白い。特に江戸時代に儒学や国学、医学などが一般に広まった影響が決定的な転回点だった部分は、日本史上の江戸の重要性を再認識させてくれる。将来、移民が大量に入るようになれば再び血についての見方が変わるのか。2021/06/04

ゲオルギオ・ハーン

28
日本国内だけでなく、海外の文献や思想も考慮にいれながら日本における「血」の思想がどのように変化していったかを解説・考察している本。思ったよりも濃厚な研究をされていて最後まで飽きなかった。そもそも日本は血を穢れたものとしていて口にする、書くだけでも避けてきた。血筋という表現は古代からあるが、これは明治以降のような血統という意味ではなく、単に血管のことを言っていた。家族の繋がりは血ではなく、骨肉で表現されていた。これは中国からの陽精陰血の思想の影響もあり、親子関係などは胤、つまり父によるもので表現されていた。2022/03/12

恋愛爆弾

18
話があちこちに飛びまくってかなり読みにくくはありますが、あちこちに飛んだ話はどれも魅力的で、普段はあまり知ることのできない情報が「血」という一語に関わり合って詰まっています。2023/05/12

かんがく

13
学術系の新書だが、「血」をテーマに古今東西の言語、風習、文学、医学などを縦横無尽に行き来する内容は京極夏彦の小説を読んだときのような満足感があった。「血」は死の象徴であるとともに生の象徴でもあり、穢れと捉えられる一方で聖なる存在にもなるという多義性が面白い。2023/02/12

さとうしん

13
「血筋」「血縁」「血統」という文脈での「血」という表現が生まれるまでの流れと、生まれてからの展開。単なる思想のうえでの問題にとどまらず、「輸血」「混血」など医学上、生物学上の問題にまで発展していく。ただ、親子関係を判別するための「血合わせ」を江戸時代に日本で生まれた俗信としているが、中国時代劇でもこの種の風習が頻出するところを見ると、おそらくは中国に由来するものではないか。2021/05/12

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