出版社内容情報
【 創刊 二見ホラー×ミステリ文庫 】 毎月20日頃発売
死ねば誰もが活性化死体(ゾンビ)化する世界
密室の中で突然ゾンビ化した研究者
その真相は──
地球上の全ての生物がウイルスに感染し、誰もがいずれ活性化遺体(ゾンビ)になる世界。
ゾンビは家畜ゾンビとして施設で管理されるか、野良ゾンビとして徘徊する──そんな中、ある細胞活性化研究者が密室の中でゾンビ化してしまう。
彼はいつ死んだのか、どのようにゾンビになったのか、取り調べが行われる現場に探偵・八つ頭瑠璃が現れ、謎に迫っていく──
内容説明
地球上の全ての生物がウイルスに感染し、誰もがいずれ活性化遺体(ゾンビ)になる世界。ゾンビは家畜ゾンビとして施設で管理されるか、野良ゾンビとして徘徊する―そんな中、ある細胞活性化研究者が密室の中でゾンビ化してしまう。彼はいつ死んだのか、どのようにゾンビになったのか、取り調べが行われる現場に探偵・八つ頭瑠璃が現れ、その謎に迫っていく―。
著者等紹介
小林泰三[コバヤシヤスミ]
1962年、京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第二回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞しデビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年に『アリス殺し』で啓文堂書店文芸書大賞、17年に『ウルトラマンF』で星雲賞(日本長編部門)を受賞。20年に病没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
87
いやーやっぱり面白いな~!確かに、わざわざゾンビを殺さないと思うな、俺も笑。という訳でずっと読みたかったのですが、やっとブックオフで見つけて捕獲しました。このタイトルなのにまさかのミステリーでした笑。会話のテンポが良いですね。突っ込みどころも満載だけど敢えてのなんだろうな。めちゃくちゃ面白かったです。おすすめ!2023/06/02
ゆのん
85
『死んだらゾンビになってしまうウィルスが蔓延している』という設定の『ミステリー』。ホラーではなくミステリーだと強く言いたい。(ホラー小説が心底苦手な人には辛い場面もあるのだが)そして、ニヤニヤ笑いを何度も誘発する個性的過ぎる登場人物達。色々な角度から楽しめる作品だった。ゆる〜く、個性的な作品故に、伏線をどう回収していくのかを予想しながら読むのも楽しい。癖になる世界観の新作をもう読めないのかと思うと、とても残念だ。2021/08/27
HANA
64
至る所で活性化遺体(ゾンビ)が徘徊する世界、そんな世界である研究者が密室の中でゾンビ化するという事件が発生する。ゾンビが活躍する特殊設定ミステリというと『生ける屍の死』や某ベストセラーが有名であるが、本書もそれに勝るとも劣らない一冊。特に主人公が抱える秘密がそれかと思ったらそっちかと度肝を抜かれたし、ゾンビ化が事件に密接に関わっていたり、読後タイトルを見て納得したりと一粒で何度でも美味しい本だと思った。それにしても著者、肉体を特殊な状況下に置くの好きだなあ。こちらもそれが好きで読んでいるんだけれども。2024/02/10
神太郎
61
小林泰三のこれまた一味違うミステリー小説がやって来た!タイトルがすべてを物語っている。そして、ゾンビものでここまで「人間サイド」にウェっと辟易することってないのでは?って位に闇が深いのは流石、小林泰三です。解説の我孫子さんが言うように「あちら」が推理小説で話題になったのだからこれも話題になってもいいはずなんだが…やはりアクが強いのかなぁ笑。しかし、設定がとんでもながら理詰めできちんと事件を解決させていくし設定を疎かにせず、むしろそれがいいスパイスとなってる。とんでも推理小説と割り切って是非一読してほしい!2021/09/11
ひさか
54
一迅社2017年6月刊。2021年8月fHM(二見ホラーミステリ)文庫化。ゾンビウィルスが蔓延した世界で探偵業を営む八つ頭瑠璃。交互に語られる瑠璃と姉の沙羅の話。どういう意味があるのかよくわからない展開がたくさん用意されており、しかし、これも巧妙に考えられていて、話が進むと帳じりが合ってくるという小林さんらしい緻密な世界。活性化遺体という表現が楽しく、パーシャルゾンビというアイデアも興味深い。奇想なお話が面白かった。2021/11/22




