内容説明
歌人として、住職として立ち会った数知れぬ臨終と葬式。死者への哀悼をこめて、弔いの作法とこころを説く。
目次
序章 命運―臓器移植を考える
第1章 死者との連帯を常として
第2章 あなたはそんなにパラソルを振る
第3章 砂漠の中に火を見たか
終章 せめて朝から晴着を着よう
感想・レビュー
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浅香山三郎
6
ちよつと前に、NHKの「ラジオ深夜便」(だつたと思ふ)に著者が、本書の内容とよく似たお話をされていて、そのあと偶然に本書を古本で入手した。本書では歌人としてよりも僧侶として、様々な死に臨んでの回顧、死にゆく人への向き合ひ方、残された方の心構へなどを説く。それらを通じ、人の死に際しての、本来的な僧侶の役割とはかくあるべしといふ境地を語る。豪放磊落(?)な酒呑み、あるいは絶叫する歌人としての著者の周囲には、死に際してもカッコイイ人たちが数多居て、その気持ちを汲むべく僧侶として接する真摯さが素晴らしい。2016/06/20