内容説明
胆吹山麓で開墾が進む。お銀様を助ける米友、弁信、お雪ら。一夜、お雪の夢に龍之助が出現、「人間という奴は生むより絶やした方がいい」とうそぶく。それより先、甲州へ赴いた与八は有野村で働いていた。地蔵菩薩を彫る与八は、木喰上人の生まれかわりと畏敬される。一方、兵馬は高山の芸妓福松に口説かれ加賀白山へ二人旅。途中、仏頂寺と丸山に出会うが、なんとしたか二人は自殺して果てた…「胆吹の巻」「新月の巻(一~五十九)」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
22
大菩薩峠16巻。今回は恋愛の巻でした。かなり眠くて気を失いながら読んだけど、ところどころはすごく面白かった。竜之助とお銀様の貞操問答、丸山と仏頂寺の自殺(!)、過去の幻影の登場など、魅力的な場面がある。しかし米友とお雪ちゃんはどんどんいいキャラになってきている。まさかの口移しも。ここへ来て、これまで延々と語られてきた、死というテーマから、命を産む、というテーマに移りつつある。だから恋愛が出てくるのか、と個人的に納得。残り4巻。2021/11/22
きょちょ
13
「胆吹の巻」「新明の巻」、大菩薩峠久々の★★★★★。 応援している醜女のお銀様、彼女は政治家になったら生きがいを見出せるのではと思っていたが、広大な土地を購入し自身の理想国を建設しようとする。 しかしながら、お雪の夢に登場する彼女と机龍之助の対話、実に面白いが、なるほど彼女の政治は間違った方向へ向くと、某北〇〇のような独裁政治になる可能性ありだな。 米友の、龍之助やお銀様の評価は実に的確で、彼こそ政治をと思うけれど、彼のような人物は決して政治家にはならないのだ。お雪ちゃんが結構本音を言い出したのも面白い。2016/07/28
ソングライン
8
不破の関にて偶然に出会うお銀、竜之助、米友そしてお雪と弁信。お銀はその財力にて胆吹山ろくに広大な土地を買い、民が自活できる理想の国を作ろうとします。そこでかわされるお銀の目指す専制君主論とそれに反する竜之助の虚無論。そこに道庵先生も加わります。一方兵馬は高山にて芸妓福松に口説き落され加賀へ旅することに。人生の哲学論が交わされる16巻です。2024/01/13
Auristela
0
お雪ちゃん、聖母のような貴女が一体何を隠しているの(泣)これじゃあまるでドストエフスキーの作品に出て来る血塗られたヒロインじゃない(/ _ ; )2015/02/09
yamakujira
0
17巻へ続く。