内容説明
家を捨て、妻子とも別れ、俗世の一切から放たれて、「行乞流転の旅」の日々を、一行の俳句に託すしかなかった山頭火。うしろすがたのしぐれる放浪の俳人の全容を伝える一巻選集!自選句集「草木塔」を中心に、作者の境涯を象徴する随筆も精選収録する。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さゆ
133
「まっすぐな道でさみしい」で有名な山頭火。なぜこんなシンプルな句が評価されているのか謎だったが通して読んでみて納得した。たださみしい訳ではなく、他の句の鋭い観察眼があわさった上での最大公約数的な作品であると感じた。物事を1つの視点からだけで捉えてはいけない。「ほころび縫う 身に沁みて 夜の雨」「捨てきれない 荷物のおもさ まへうしろ」「太陽、生きものが生きものを殺す」2024/01/06
新田新一
47
この本の良いところは、山頭火の散文が読めることです。どの散文にもこの俳人の想いが息づいており、胸に迫ります。苦労の連続で、地を這うようにして生きて死んでいった俳人です。でも、放浪しながら自分の生き方を問い続け、命を削るようして俳句を詠み続けた喜びが散文から伝わってきます。たとえ世間に認められなくても、作句を続けたことは、彼の喜びだったでしょう。収録されている句は他の本で読んだものが多かったです。それでも心に残る句を見つけられました。その中の一つが「夕焼雲のうつくしければ人の恋しき」。山頭火晩年の句です。2025/09/16
姉勤
42
寂しさ。ある人にとってば、耐え難い苦痛、恐怖だろう。孤独であるが、孤独だからこそ感じられる、他者と繋がっているという、矛盾。漂泊の中で、時に蝶になり、とんぼになり、風になり、山になる。自由律と呼ばれる、定型を外した句と、随筆。そして年譜と解説を掲載。そして、句にあった版画が旅情と寂寥をビジョンさせる。風と雨に、時に霰に晒されきって残った、人間の芯の表現。2019/04/03
ホームズ
40
俳句や和歌なども味わえるようになれるといいなということで最近少し句集などにも挑戦。僕のように普段読まない人間にも色んな事を感じさせてくれるいい句集だったと思います。山頭火の孤独や生活、死についてのなど色んな事が良かった。途中にある版画も良かった。もっと作品を読んでみたいと思いました。2013/05/16
ビイーン
36
つぶやきの様な山頭火の俳句が時々読みたくなる。きらめく俳句の一言一言から業深き人生を感じる。2021/04/27
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