内容説明
古代から現代まで、生き続ける「遊女」その意味を起源と実態から考察。
目次
遊女の歴史(瀧川政次郎)
遊行女婦のこと(柳田國男)
中世の女性と遊女(網野善彦)
遊女と天皇(抄)(大和岩雄)
辻の華―くるわのおんなたち(抄)(上原栄子)
娼婦―海外流浪記(宮岡謙二)
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921年熊本県水俣市生。東京大学文学部卒。平凡社『太陽』の初代編集長をへて、1970年代に『青銅の神の足跡』や『鍛冶屋の母』などを発表し、民俗事象と文献資料に独自の分析を加え、日本人の精神的基層を研究する上での「地名」の重要性を指摘する。1981年神奈川県川崎市に日本地名研究所を設立、所長に就任し現在に至る。1992年、第2回南方熊楠賞受賞。2007年、文化功労者
大和岩雄[オオワイワオ]
1928年長野県生。旧長野師範学校(現信州大学教育学部)卒。1952年雑誌「人生手帖」を創刊。1961年大和書房を創立。出版社経営の傍ら古代史研究に着手、季刊「東アジアの古代文化」編集主幹を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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momen
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平安~鎌倉の遊女の社会的役割や実態、沖縄の遊女の回顧録、明治~大正に海外へ出稼ぎ買春した「娘子軍」の記録。様々な本のメイン部分を掲載、要点を丁寧に纏めた優秀な解説付きで概説として便利。他シリーズ本や参考文献と併せて読むと良い。遊女は買春だけの存在ではなく優れた技芸や教養を持つ芸能人・宗教者であり、公の神事や祭・信仰伝達・朝廷の女官など多方面で活躍。近代の沖縄では遊郭や遊女が妻公認の社交ツールとして社会に組み込まれていた。無数の娘子軍の殆どは騙され使い潰されて悲惨な末路。遊女の様々な側面と悲哀を知れる。2024/11/26