内容説明
非暴力の精神と徹底した対話によってインドを独立に導いたガンディーの二十一世紀へのメッセージ。
目次
第1章 自叙伝―わたしの真理実験の物語(真理実験に向けて;出生と家系;少年時代;盗みと贖い ほか)
第2章 機械文明か人間の文明か―『ヒンド・スワラージ』から(スワラージとは何か?;イギリスの状況;文明;インドはなぜ滅びたのか? ほか)
第3章 わが信条―『イェラヴァダー・マンディルから』より(真理;アヒンサー=愛;ブラフマチャリヤ=純潔;無所有すなわち清貧 ほか)
著者等紹介
森本達雄[モリモトタツオ]
1928年和歌山市に生まれる。同志社大学神学部卒業。インド国立ヴィシュヴァ・バーラティ大学準教授を経て、現在、名城大学教授。現代インド思想・文学専攻。著書に『ガンディー』、『インド独立史』、『ガンディーとタゴール』。訳書に『タゴール著作集』、『インドのうた』、ガンディー『わたしの非暴力』、ネルー『忘れえぬ手紙より』、K・クリパラーニ『タゴールの生涯』(上)・(下)、『ガンディーの生涯』(上)・(下)、タゴール『ギタンジャリ』、『人間の宗教』、N・チョウドリー『ヒンドゥー教』ほか
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感想・レビュー
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ロビン
20
2つの自伝的作品からの抜粋「自叙伝」、ガンジー思想の精髄と言われる西洋近代文明批判の対話編『ヒンド・スワラージ』からの抜粋「機械文明か人間の文明か」、獄中書簡『イェラヴァダー・マンディルから』の抜粋「わが信条」の3章で構成された一冊。「東洋道徳、西洋芸術」と佐久間象山は言ったが、ガンジー思想はより厳しい。人間が機械の奴隷になる様を描いたチャップリンの名作『モダン・タイムス』はガンジーに影響されたものだという。技術の発展に伴って肥大した利己的な欲望の克服、機械文明における人間性の回復という課題は現代も残る。2019/11/20