平凡社新書
新聞記者 夏目漱石

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852776
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0200

内容説明

同時代のニュースを作品に取り入れ、時代精神を感得して小説家となった漱石。もし朝日新聞社に入らなかったら、文芸欄の創出も、数々の名作も、存在しなかったかもしれない。漱石が朝日新聞に入社し、活躍した意義は、はかり知れなく大きい。新聞小説の歴史を辿り、朝日の豪傑記者達とともに新聞記者としての側面から光をあてた新たな漱石論。

目次

序章 漱石争奪戦
第1章 明治期の新聞事情
第2章 朝日新聞入社
第3章 朝日文芸欄
第4章 新聞記者夏目漱石
終章 それぞれのそれから

著者等紹介

牧村健一郎[マキムラケンイチロウ]
1951年神奈川県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。朝日新聞校閲部、アエラ編集部、学芸部(現文化部)等を経て、企画報道部be編集部。学芸(文化)部が長く、ラジオテレビ編集長や読書面を担当した
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

136
漱石が読売との契約を断った文章の要約を読み、漱石の思考は誠に立派だと思う。過不足のないきちんとした拒絶、驕りはなく、過剰に腰を低くするでもない。そして、朝日に入るきっかけは、これを読む限りではやはり子規の影響もあったようにも思えるのだ。新聞第一号は横浜で発行された毎日であったこと、朝日は初めは大阪で発行されていたこと、漱石を朝日の大阪と東京でとりあいになったこと、社主としては大阪朝日の方が大きく、そのために漱石がまず大阪朝日のために書いた「今日に着ける夕」が大阪朝日の一面に載った話など、興味深い内容。2017/06/18

たくのみ

13
「月給は累進式か」「恩給は」細かく聞いていた「朝日新聞入社」。読売のオファーを蹴り、大学教授の名誉も、教諭としての安定を投げ捨て、当時は「大阪でっち新聞」と同列のベンチャーだった朝日に、月200円で新聞社員となった漱石。その後ろで動いた鳥井素川、樋口一葉すら憧れた半井桃水の活躍。新聞小説から現代日本語を変えようとした漱石は、自ら広告塔となったかわりに、新聞を利用していた。なるほど。やりますね。2016/01/02

杜子春

4
記録2021/01/11

スプリント

3
夏目漱石の逸話よりも当時の朝日新聞で働く人々の逸話に興味が惹かれました。2014/08/28

ふう

2
井上ひさしのコメントが納得できて面白かった。落語に傾倒し、英文学を学び、留学して言語観を磨き、その後大学や文壇を捨てて新聞の世界に入る。そのことが、現代日本語を平明で機能的な文体にした、という。朝日に載る漱石の文章が、日々の同時代人の日本語を磨いた、というのは卓見。2014/06/28

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