創元こころ文庫<br> 「出会い」の不思議―河合隼雄セレクション

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創元こころ文庫
「出会い」の不思議―河合隼雄セレクション

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  • サイズ A6判/ページ数 323p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784422000565
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0111

出版社内容情報

言葉、人、本、子どものこころ、新しい家族、こころの不思議の6つのテーマを「出会い」というキーワードで繋ぐ。

雑誌「中央公論」に3年間連載し好評を博した「巻頭言」36本に加えて、これまで新聞・雑誌に発表し、単行本に未収録のエッセイを集め、あらたに編集しなおした同名書籍の文庫版。言葉との出会い、人との出会い、本との出会い、子どものこころとの出会い、新しい家族との出会い、こころの不思議との出会いと、6つのテーマを「出会い」というキーワードでつなぐ。文庫版巻末解説は、長男で臨床心理学者の河合俊雄氏。

まえがき

I 言葉との出会い
 回生
 美しい死に顔で
 指導者として勉強になった
 自分の言葉で話す
 合言葉はリスニング
 推敲は文章を殺す
 好之者不如楽之者
 木はえらい
 おもしろがることで伝染する
 タッチ・プリーズ
 みんな途中で死ぬのです
 いちばん嫌いなのは道徳教育
 老いのうぶ声
 もっとも大切なものに対してどれだけ無になれるか
 言葉から出て言葉に出る
 歓びを愛によって殺す
 まったく痕跡を残さないのは偉業だ
 自分のやりたいことをやるのが勝ち
 平凡な魂など存在しない
 ローソクを灯して、瞑想しましょう
 演奏は完全で、完全に退屈でした
 神話をなくした民族は命をなくす
 何故なしに生きる
 日本人は落ちこぼれないための競争をしている
 あいまいを誠実に
 休んだほうがいいと思ったときは休みます
 心の敗戦
 からだの叡智は精神によって荒らされている
 過熱報道は情報公開と似て非なるもの
 望みは遂げても満足がない
 人間が土台だ
 アイデンティティのことであってナショナリズムではない
 非行をどう生かすか
 僕のベートーヴェンはこれや
 日本人こそコジンシュギだ
 陽遁

II 人との出会い
 梅棹忠夫さんのこと
 鶴見俊輔さんとの出会い
 藤岡喜愛さんを偲んで
 井筒俊彦先生を悼む
 川瀬敏郎さんの美の世界
 賢治と明恵─シンポジウム「賢治、宇宙を翔る」より
 C・G・ユング
 ジャン=ピエール・ランパル─たましいに響く音色
 ニジンスキー─侵入する狂気

III 本との出会い
 本とおはなし
 『聖の青春』
 『トオイと正人』
 『うつほ物語』のなかの女性像
 『取り替え子』
 ユングとアプラクサス─『死者への七つの語らい』をめぐって
 皇后さまの講演録を読んで
 大人にすすめたい「子どもの本」
 子どもの本雑感

IV 子どものこころとの出会い
 失われた居場所
 子どもの幸福
 「今日はわが身」
 子どもにとっての友だち
 逸脱行動の意味するもの
 「私たちは未来を見ます」
 言葉が熟すのを待つ
 子どもの心をつかむということ
 求められる教師の力

V 新しい家族との出会い
 家族の未来
 「わが家の儀式」の創造
 自立と孤立
 現代日本の父親
 「父性」を創造せよ
 「くるたのしい」子育て
 子育てを楽しむために
 児童文学における家族

VI こころの不思議との出会い
 変化しつつ変化しないもの
 煙草をすう男
 あいまいについて
 「グッドハート」の移植
 こころの時代を生きるために
 巡礼と巡回
 サンフランシスコの風

解説
シリーズ刊行によせて
初出一覧

【著者紹介】
一九二八年、兵庫県生まれ。京都大学教育学博士。京都大学名誉教授。元・文化庁長官。一九五九年にアメリカへ留学。一九六二年にスイスのユング研究所に留学し、日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。一九六五年に帰国後、京都大学教育学部で臨床心理学を教えるかたわら、ユングの分析心理学を日本に紹介し、その発展に寄与。一九九二年、京都大学を退官。一九九五年、国際日本文化研究センター所長、二〇〇二年、第一六代文化庁長官に就任。著書に『ユング心理学入門』『昔話と日本人の心』『明恵 夢を生きる』『河合隼雄著作集(全一四巻)』ほか多数がある。二〇〇七年七月一九日、逝去。

内容説明

雑誌に連載した「巻頭言」に加えて、単行本に未収録の文章を集め、あらたに編集しなおしたエッセイ集。「言葉」「人」「本」「子どものこころ」「新しい家族」など、「出会い」というキーワードをもとにこころの不思議を綴った本書は、人生のさまざまな場面でふと立ち止まり、しばし考えさせられる言葉に満ちている。

目次

1 言葉との出会い
2 人との出会い
3 本との出会い
4 子どものこころとの出会い
5 新しい家族との出会い
6 こころの不思議との出会い

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年~2007年。兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。臨床心理学者。京都大学名誉教授。1962年にスイスのユング研究所に留学し、日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。帰国後、京都大学教育学部で臨床心理学を教えるかたわら、ユングの分析心理学を日本に紹介し、その発展と確立に寄与。1995年、国際日本文化研究センター所長、2002年、第一六代文化庁長官に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばんだねいっぺい

22
あ、それでよかったのかと、あー、よくなかったなーを行ったり来たり2016/07/22

roughfractus02

8
臨床家は自己と他者との「出会い」に意識と無意識との出会いを重ねる。6つの出会い(言葉、人、本、子供のこころ、新しい家族、こころの不思議)のテーマから成る本書が、自己と他者の出会いから無意識との出会いへ深まる中で、著者は、意識のレベルで異質な無意識を言葉の上で肯定/否定すればその力に圧倒されて暴走する思春期や、金銭を媒介に対話しない親子関係の表面性を列挙する。その一方で、無意識と関係を深いレベルで結ぶ瞑想、児童文学、ナパホ族の神話等から意識の力を弱め、関係の間に余白を作り、感覚同士を交流する術が提示される。2023/02/27

Verte

5
295「煙草をやめることに熱心になりすぎて、『煙草をすう態度』までなくしてしまうと、それは人間のたましいにはわるいのではないでしょうか」2017/05/07

kungyangyi

1
これもいい本。後半に出てきた、今の日本では、父親であることは難しいことという話が、身近な話だった。/河合隼雄さんの文章は、見方の違いがまれにあるけど、どれを読んでもハズレがない。たくさん書いているのにすごい。2020/10/29

あんどうれおん

1
臨床心理士でもある身内に、心理学の素人が読める河合隼雄の本を教えてほしいとリクエストしたら薦められた本。様々な媒体に寄稿した論説の集合で、想定される読者層にあわせた語り口で話を展開する工夫に、懐の深さが垣間見えるような気がします。2020/01/11

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