内容説明
遮られたくないものは、親子の絆、家族への愛。嬉しいとき、寂しいとき、あなたと私の心に揺れる出会いと旅立ち8つの情景。
著者等紹介
谷村志穂[タニムラシホ]
1962年、札幌に生まれる。北海道大学農学部で動物生態学を専攻。出版社勤務を経て、90年『結婚しないかもしれない症候群』でデビュー、女性たちの支持を集める
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感想・レビュー
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あつひめ
25
壁のように自分を閉じ込めてしまわないカーテン。ゆらりゆらり・・・さらけ出すのは恥ずかしいけど・・・レースのカーテン越しなら守られている気持ちになる???部屋の中でカーテンって意外と見落としがち・・・お呼ばれしたらまずはカーテンやら家具をくまなくチェックして女のセンスを問う。いくら衣装に凝っても化けの皮は些細なところから剥がされていく。うちのカーテンもそろそろ・・・と読後目をカーテンに向けて感じた。2011/01/28
星落秋風五丈原
12
「Curtain」「私からの風船」「一夜」「黄鳥」「左腕とキャッチボール」「結婚招待状」「十年目のパーソナリティ」「Curtain call」 遮られたくないものは、親子の絆、家族への愛…。2008/08/27
スノーシェルター
6
なんとなく苦しくなる話が多かった。カーテンは軽くて薄くてフワフワ揺れていて、簡単に避けることも出来るのに、向こう側とこちら側では全然違うのね。2011/10/16
ちどり
5
男と女の短編集。 父や母にしこりを抱いていたり 家庭というものから遠い女性たちが登場。 女性たちの輪郭が淡くてぼんやりしている。 結末の頃には形が定まるようなくっきりした作品もある。 穏やかに見えて主張のある作品たちだった。2024/10/16
ミュール
5
「それぞれの部屋のカーテンの内側に揺れる男、女、独り独りの心模様~(あとがきより)」を描いたとても素敵な8つの短編集。谷村志穂さんの書く文章は(まだ二作しか読んでいないが)とても静かで綺麗な印象を受ける。男女間の恋愛を描いてもそこに泥臭さは感じず、たとえ不倫であっても浄化?されてしまうような不思議な感じだ。もう少しいろいろな作品を読んでみたいと思う。たまたまプライベートで、この一年の間に娘も息子もそれぞれ結婚式をしたこともあって、『結婚招待状』が特に心に残った。2016/06/28