内容説明
「おとーさんげんきですか。…いつかうみにいつたね」絵日記に描かれた大海原に、もう一人の少年が「嘘だ!」と噛みついた。子供たちにとって、海が青いということは、単なる知識でしかない。郷愁の対象に過ぎないのだ…破滅の予兆はある日突然、野鳥の大量死というかたちで顕現した!あり得べき人類の近未来を描いたパニック・ホラー。
著者等紹介
久美沙織[クミサオリ]
1959年、盛岡市生まれ。上智大学文学部哲学科卒。在学中に『小説ジュニア(現コバルト)』でデビュー。『丘の家のミッキー』で一躍人気作家に。以後、スケールの大きさ、大胆な設定で幅広い層に支持される
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
76
ちょっとさわりだけのつもりで表紙をめくったら、170P弱という軽いボリュームもあるがページをめくる手が止まらず1時間ちょっとで読了。『よくできました』。冒頭の子供が書いた絵日記に記された「いつか海にいったね」という言葉が本編の内容にどうやって繋がってゆくか、結末がわかっていても緊張感がしっかりとした読み応えをあたえてくれる物語。巻末に記載されている参考文献を見てもしっかりとした資料にもとづいた一種の化学シミュレーションといえるのだろう。コバルト時代の久美沙織のイメージからは想像しがたい硬質な良作。2014/09/30
しょーくん@本棚再編中
34
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ホラー的ファンタジー。全くストーリーに入れずに途中で挫折しました。私には合いませんでした。2017/04/28
tu-ka
32
古本屋で衝動買い。鳥インフルエンザが話題になるよりもずっと前にこのようなテーマを思いつくという着眼点はなかなかのものだと思います。帯は少々大袈裟かな。酷評のレビューが多いようですが、確かに内容はちょっとまとまりが無いかも。表紙の海の色に見惚れた。2015/10/18
のりすけ
19
タイトルと装丁から悲しみ成分が若干ある恋愛ものかと思ったら、こういう話か。ありがちながらも手堅くまとめてる感じ。冒頭につながる原因が、疫病ではなくそちらってのは好き。う~~ん、泣くほどではなかったなぁ。2022/04/09
星落秋風五丈原
19
「おとーさんげんきですか いつかうみにいったね」絵日記に書かれた大海原にもう独りの少年が「嘘だ!」とかみついた。子供達にとって海が青いということは単なる知識でしかない。郷愁の対象に過ぎないのだ。破滅の予兆はある日突然野鳥の大量死という形で顕現した。あり得るべき人類の近未来を描いたパニックホラー。2006/01/20