内容説明
長さや重さの単位をどう決めるかの変遷で知る科学史ストーリーです。科学史(特に物理学)のベースとなる普遍的な単位系に対する模索について、哲学っぽいトリビア的な知識を開陳します。
長さと重さの単位となるメートルやキログラムは従来では「原器」と呼ばれる人工物を基準としていましたが、長さの伸縮や重さの増減のために、信頼性が揺らいできました。本書の第12章の「さらばキログラム」は、キログラム原器との分離とキログラムの再定義を詳述しています。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
45
度量衡に関する歴史などを世界各地からの状況を説明してくれています。科学史の観点からとそのことがどのようなことからという哲学的なところまで論じておりいろいろな影響を与えているということがわかります。このような基本的ではあるけれど細かいことでその裏には様々な事情があるということがわかっただけでもよかったと感じます。2015/05/24
CCC
10
この本を読もうと思ったのは、昔の度量衡はどれくらい正確だったのか、現代のそれとどれほど互換性があるのか、その二点が知りたかったからなのだけど、古代の話は少なく、またメートル法以降に大半のページが割かれているため、そういった事はいまいち分からなかった。なるほど、この本は『もっとも「正確な」長さと重さの物語』。不正確な長さと重さの物語はお呼びじゃなかったようだ。けれどもそれなりに興味深い話題は多かったし、荀勗やアフリカの話はわりと求めていたものに近かったので、読んで損はなかった。2017/01/23
himawari
4
後書きが興味深かった。長さを計ることが人に与える影響について、哲学的に書かれている。体にぴったり合ったサイズの服を着ることが幸せなのか、という問いに対しては西洋的だなぁと感じた。2015/03/28
黒豆
4
度量衡は、正しい秩序を定め、国家機構を維持するために必要で中国2000年の歴史では新しい王朝が興るたびに現行度量衡の見直しを命じた。古くは足に基づく単位 尺、指の幅 寸、農作業に基づく単位、1度に洗える牡蠣の量wash、1日の脱穀量werkhop、一頭の乳牛から1度に搾乳で得られるミルクの体積meal、近代はメートル原器から波長基準へ。単位の話題でこれほど多彩なストーリーがある事に驚くと共に興味深い内容だった。2014/12/17
takejin
2
度量衝体系の推移を、主にメートル法の経過を追う事で提示している。中国の音階の基準とか、観念を組み合わせて重さを測るアフリカの重りの話もおもしろい。でも、驚いたのは、まだキログラムが物理定数(光の速度とかプランク定数とか)で定義されておらず、キログラム原器が基準になっているという事と、その原器の重さが変動しているという事。びっくりです。2015/03/04
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